公開監査

公開監査レポート

品質を落とさず確かな商品を加工・セットする

東都生協 産直青果センター

2010年3月12日

3月12日、東都生協 産直青果センター(さいたま市南区)の公開監査を実施しました。同センターは(株)全通が運営。流通工程となる青果センターを対象とした公開監査は、今回がはじめてとなります。当日は、東都生協や産直産地、関係団体などから109人が参加。産直青果物が納品されてから組合員宅に「確かな商品」を届ける流通工程での品質管理のしくみを、組合員、生産者がそれぞれの立場で確かめ合いました。

公開監査にたくさんの関係者が集まりました

今回の公開監査のねらい
 公開監査のねらいは、公開の場で、監査の手法により「確かな商品」が青果センターに納品されてから組合員宅に届くまでの品質管理のしくみについて「見える化」をはかり、改善点を明確にすることにあります。
 産直産地の生産者にとっては出荷した農産物が、組合員にとっては東都生協が約束したとおりの商品が、「確かな商品」として取り扱われ、加工され、保冷箱にセットされているかを確認する場となります。
管理状況を細かくチェック

セットラインを見学。鮮度を保つため、夜間にセットしています

 公開監査に先立つ3月2日、専門家1人、生産者2人、組合員2人、東都生協職員2人からなる監査人7人で「事前監査」を実施。監査は、農産物の入荷から出荷までの工程を対象に214項目もの監査項目について行われました。青果センターの現場視察で、作業や衛生管理、品質管理の状況や、施設・備品などの管理、作業および工程の管理などを確認し、その後、ヒアリングや記録帳票、トレースの確認を行いました。
 3月12日の公開監査当日には、東都生協から「産直の取り組み」、青果センター((株)全通)から「流通工程での青果物の取り扱い」について報告されたのち、参加者全員がグループに分かれて、青果センターの作業現場を視察しました。午後は、監査人から事前監査について報告されました。青果センターの品質管理のしくみについては「総評としてできていると言える」とし、今後内部監査を実施し改善をすすめていくことや、リスクを減らすための改善事項の日常的な抽出、職員教育の実施について監査人から意見がありました。
品質維持の努力と厳しい検品体制
 青果センターでは、農産物が日曜日から木曜日にかけて納品され、入荷した農産物は、鮮度を維持するため、午後6時~午前1時の間にお届け先単位にセットされます。監査では、施設内の温度は、品質を維持するために適正温度に管理されていること。パック詰め作業や、白菜、キャベツ、かぼちゃなどをカットする作業は、特に衛生管理を徹底して作業をしていることが確認できました。
 農産物の検品は、生産者別のサンプル検品を中心に実施しています。東都生協のフレッシュアップベル(電話によるお問い合わせ受付)にお申し出があった場合には、迅速に対象商品もしくは全量の検品を行います。また、青果センターでパック詰めする商品は、パック詰め作業時に目視検品により不良品をはじく作業を行っています。
栽培区分ごとに分別管理し、トレーサビリティを確保

ほかの栽培区分の農産物が混ざらないように加工します

 東都生協で取り扱う農産物は、産地を指定しており、独自の栽培区分表示を行っています。ほかの区分の農産物が混ざることなく管理され、約束どおりの商品を届けなければなりません。青果センターでは、農産物の入荷から保冷箱にセットして出庫するまで分別管理し、各過程での記録をとることで、トレーサビリティ(履歴をたどることができる意)を確保していることが確認されました。
参加者の声 ─ 組合員のメッセージカードから抜粋 ─

組合員から

大切に青果物を取り扱っている姿勢に感銘を受けました。寒い場所での作業は大変だと思います。そのおかげで注文したものをいただけています。ありがとうございます。
カット野菜(白菜、かぼちゃ)など、衛生的に処理されていることがきちんと伝わればもっと利用が増えるのではないでしょうか。

生産者から

公開するだけあって見るべきものも多かったです。現場に持ちかえることができる手法がたくさんありました。
作り手と食べ手のつながりをもっと深めるためにもこのような場にはもっと参加したいと思いました。

監査を終えて

今回は、流通工程ではじめての公開監査でしたが、生産者、組合員がそれぞれの立場で流通工程を確認することができました。流通工程では、青果物の品質を引き上げることはできませんが、品質を落とさないことが求められます。産地出荷時の青果物の品質を、そのままの状態で組合員宅まで届けるために、さらに改善努力をすすめていきます。

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