教えて!野菜の哲人「作り手だから教えられる、おいしい食べ方・保存法」

高原レタス

北軽井沢産直の会
清水農園
清水明俊さん

観光客でにぎわう軽井沢駅から車で50分ほど、北軽井沢(群馬県)にある清水明俊さんの農園を訪問。浅間山を望む広大なレタス畑でお話を伺いました。

清水さんの農園で作っている
レタスの美味しさについて教えてください。

シャキシャキしていて甘いんです。それは、標高1,000m以上の高原で作っているからなんです。高地ゆえに、昼と夜の気温の差が大きい。その寒暖差が適度なストレスになって、野菜が美味しくなります。その寒暖差に負けないようにと肉厚になって、シャキシャキ感が際立った美味しいレタスになるんです。夏でも朝晩はひんやりとする高原だからこそ、ですね。さらに、この土地の土。ここは浅間山の噴火で降った灰が堆積した火山灰土です。水はけがよく、それもレタスの栽培には適しています。

レタスをどのように栽培しているのか教えてください。

収穫時期は5月中旬から10月末頃までなんですが、レタスを植えるための畑は、前年の秋から土づくりを始めます。まず、たい肥を土に漉き込んで、春にはカルシウムを与えます。土づくりと並行して、育苗用のトレーに種を蒔いてハウスの中で発芽させ、安定してから外の畑に植え替えます。種を蒔いてから、収穫できるまで、時期によって多少変わりますけど、3か月間くらいですね。いまは5日おきくらいの間隔で種蒔きしています。

レタスを美味しくするためにこだわっていることはありますか。

多くの野菜は光合成によってでんぷんを合成しますが、日没後にはそのでんぷんが糖に変わります。そして朝になると、再びでんぷんの合成が始まって、糖度が下がってしまいます。だから、朝に収穫したものと夕方に収穫したものでは味が違うんです。糖をたっぷり蓄えた朝のレタスは甘みが強く、夕方には苦みが増します。「朝採れ野菜」がいいというのは、そのためなんです。だから、収穫は、陽が出る前の早朝の4時から始めています。

レタスの美味しさを保つ保存法を教えてください。

保存法ですか!?美味しいうちに食べきるのが一番なんですけどね。新鮮なレタスは、サラダだけじゃなく、炒めても、スープに加えても美味しく食べられますから。それでも食べきれなくて保存するなら、厚手のビニール素材の袋に入れて、冷蔵庫で保存するのがいいかな。レタスは乾燥に弱いですから。ただやっぱり、シャキシャキ感が楽しめる美味しいうちに、早く食べきることをおすすめします。

清水さんのおすすめの美味しい食べ方を教えてください。

僕が一番好きなのは「レタスのツナマヨ和え」。レタスの美味しさを味わうなら、これで充分。むしろ、レタスが新鮮なら野菜はレタスだけのほうがいいですね。そこにツナの旨味を少々足したら、完璧ですよ。簡単に作れるし、シンプルだからこそ毎日でも食べ飽きない。ぜひ試してみてください。

<作り方>
(1)ツナ缶をほぐしたものに、マヨネーズ、醤油、ごま油を加えて混ぜ合わせておきます。
(2)レタスは食べやすい大きさに千切って、冷水にさらし、しっかりと水を切ります。
(3)レタスをボウルに入れて、(1)を加えて、全体に和えたら出来上がり。
<ポイント>
※ツナを多くしすぎないこと。ツナ缶はレタス8~10枚くらいに1缶を目安に。
※ツナと調味料を混ぜたものは、上からかけるのではなく、ボウルで全体に和える。