活動・事業計画

2023年度 わたしたちが目指すこと

持続可能な社会を次世代につなげる、食の未来づくり2023

食の未来づくり2023に込めた決意

昨今の長期化する新型コロナウイルスの影響に加えて、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした食料や燃料の価格高騰が組合員の家計を圧迫しています。また、東都生協の多くの産地・メーカーが飼料や原料価格、資材やエネルギー価格の高騰、輸送費の増大による生産コストの増加などで経営の危機に直面しています。その中で、東都生協も商品利用の落ち込みや新規組合員数の低迷、水道光熱費や物流費の高騰などが重なり、厳しい事業状況にあります。

この状況下で、2023年度にみんなで目指すことは、「持続可能な社会を次世代につなげる」ために改めて「食の未来づくり」を推進することを掲げました。また、食の未来づくりに「2023」を付けたのは、東都生協の理念と、2030年ビジョンの実現に向けて、未来永劫、みんなで推進する運動であることを東都生協に関わる全ての人々に周知と新たな挑戦も含めた行動をしていく決意を込めました。

豊かな食の未来を次世代につなぐ責任

2023年度は、東都生協設立50年となります。設立趣意書には、「物価高と公害、生活環境の破壊によって、私たちのいのちとくらしは、かつてない危機におちいっている。このとき、私たちが生活協同組合をつくり、農・漁民と手をつなぎ、組合員が必要とするより安全で質の良い、より安いものを供給することは、ますます必要となってきている」と社会背景が語られ、設立までの足取りを「この運動がはじまって以来、なんの障害もなしに平らな道ばかりを歩んだのかというと、けっしてそうではありません。困難は何回となく訪れました。そんなとき、多くの仲間たちは、それこそ私心を捨てて努力し、今日の基礎を築きあげてきたことをわすれてはなりません」と記されています。

あれから50年、今また安全な「食」への懸念、エネルギーも含めた環境に対する不安や平和の問題など、いのちとくらしを守るための課題が集積しています。私たちは、これまでの道のりから学び「安全・安心な食」「持続可能な食料確保、自国の食料は自国の大地から」「より良い生活と平和な社会」を望む組合員や生産者・メーカー、職員の願いを実現できるように、他団体とも連携して実行していかなければなりません。また、組合員が「食べて応援」し、産地・メーカーが「安全・安心な商品を届ける」関係を強固にしながら、誰もが「国産」を選択することの価値を理解し、「食を選択する力」を養い、豊かな食の未来を次世代につないでいく責任が東都生協にはあります。

これまでの50年の歩みに感謝し、これからの50年を見据えて、地球環境や経済システム、人間社会などの持続可能性を高めるために、東都生協の「いのちとくらしを守る」活動と事業を発展させる一歩を、みんなで踏み出していきましょう。

みんなで進めること

食の未来づくり運動は、2008年の世界食料価格危機で、人々のくらしが深刻な課題に直面する中、次世代への安全・安心な「食」の継承と持続可能な食料生産と豊かなくらし、社会の実現に向けて提起されました。

未来につなぐ、みんなの一歩

[行動目標1]食料自給率の向上

食費の5割以上は東都生協の商品を利用し、食卓から日本の農業を応援しよう

[行動目標2]日本の農業を元気に

年に1度は、生産者との交流や生産を支援する取り組みに参加しよう

[行動目標3]持続可能な社会に向けて

1人が5人に地域で「食の未来づくり運動」を伝え、その輪を広げよう

  1. 東都生協のファンを増やしましょう

    1. (1)組合員と職員が協力して「仲間づくり(*1)」に取り組みます。

      例えば…

      • 仲間づくりボランティア(*2)と職員が協力して「仲間づくり」を推進
      • 加入間もない組合員をサポートする企画を開催
    2. (2)東都生協の良さを広めます。

      例えば…

      • グリーン・サポート(*3)などの登録利用を促進して、畑の余剰を削減
      • パン商品の小麦は、国産へ切り替え
    3. (3)「仲間づくり」を推進する環境を整えます。

      例えば…

      • 加入をお勧めする際の資料やサンプルなどを充実
  2. 産直と商品利用の輪を広げましょう

    1. (1)安定利用の推進に努めます。

      例えば…

      • 組合員が商品の開発や見直しに参加する機会を設置
      • 登録商品を利用する組合員と産地・メーカーの交流
    2. (2)分かりやすい情報発信を行います。

      例えば…

      • 市販と東都生協の商品の違いが分かる紙面に
      • 組合員の商品利用や交流参加などの感想を商品案内で紹介
    3. (3)信頼に応える持続可能な商品とサービスを実現します。

      例えば…

      • 弁当と一緒に商品を届ける配食事業
      • 遠方の親族などに東都生協商品を宅配便でお届けするサービスの検討
      • 複数人分の商品を1カ所に届けるステーション供給
  3. くらしと社会の力となる組合員活動の輪を広げましょう

    1. (1)あらゆる人が参加したいと思える活動を工夫して進めます。

      例えば…

      • 新しい組合員活動のスタイルを確立
      • 組合員が一人でも活動参加できる機会の充実
      • 多様な学びで食を選択する力を養う 「東都生協 食の学校」の開設
      • JA東京中央との協同組合間連携で、都市農業への理解の深化
    2. (2)東都生協設立50周年を迎え、周年事業に取り組みます。

      例えば…

      • 組合員、生産者・取引先、職員が共に祝い、感謝を伝え合う交流企画
      • 年2回の東都生協50周年感謝祭
    3. (3)持続可能な平和な社会を目指して活動を進めます。

      例えば…

      • 組合員が福祉・環境・平和への学びを深める機会を提供
      • 「3.11を忘れない」の取り組みで、東日本大震災の復興支援を継続
  4. 堅実な運営と人材の育成を進めましょう

    1. (1)持続可能な事業活動に努めます。

      例えば…

      • 計画的で妥当性のある予算執行で、組合員の財産を適切に管理・運用
      • 冷凍・冷蔵、青果物の草加要冷セットセンターの来春稼働の準備
      • システム化や電子化などの業務改善で生産性向上
    2. (2)組織の活力を強化します。

      例えば…

      • 組合員理事、地域コーディネーター、職員の視野を広げる研修を充実
      • コンプライアンス(*4)を遵守し、健全で健康な組織風土の構築
    3. (3)信頼される人材の育成を目指します。

      例えば…

      • 商品知識や課題対応力などの研修を通じて業務品質を向上
      • 安全運転につながる運転技術や運転者意識の研修を継続
    4. (4)自然災害や感染症などの危機管理対策を強化します。

      例えば…

      • 地域や他団体とつながり、東都生協の災害ボランティア活動を活性化
      • 災害図上訓練(*5)の実践を通じて事業継続計画(*6)を更新
    5. (5)会計の透明性を高めて、健全な運営に取り組みます。
      • 第49回通常総代会で公認会計士 八重洲監査法人を選任、会計監査を受ける

【用語説明】

*1: 「仲間づくり」とは、新しい組合員を増やす活動。
*2: 「仲間づくりボランティア」とは、組合員が参加する仲間づくりの仕組み。
*3: 「グリーン・サポート」とは、野菜を「余すことなく届けたい」という生産者の願いと、「無駄なく利用したい」という組合員の気持ちから、1998年1月に誕生した運動商品。
*4: 「コンプライアンス」とは、法令を遵守すること。
*5: 「災害図上訓練」とは、災害の発生事態を机上で想定して、危険な事態などに備える訓練。
*6: 「事業継続計画」とは、自然災害や感染症の流行などの事業継続リスクが発生した場合に、被害を最小限にとどめ、素早い復旧を実現し事業を継続する方法について定めた計画。