東都生協の方針・考え方

東都生協 福祉政策2035

(抜粋)
2026年2月19日
東都生協 理事会

1.目指す福祉の姿

 私たち東都生協は、平和とよりよいくらしの実現に向けて、協同して事業と活動を進めてきました。私たちは組合員の相互扶助組織として、信頼と安心に基づく助け合いと協同の福祉を推進し、いのちとくらしを守り、誰もが安心して暮らし続けられる持続可能な地域社会づくりに貢献します。

 福祉を制度や専門領域に限定せず、食・くらし・子育て・健康・介護・居場所づくりを一体で支える「くらし丸ごと福祉」として捉え、他の協同組合、地域の人々・団体、行政と共に、共助を軸とした地域福祉の仕組みを育て、日常の不安や孤立を防ぎ、誰一人取り残さない地域社会づくりを目指します。

<東都生協が描く2035年に向けた4つの福祉ビジョン>

  • ① つながりを絶やすことなく、孤独・孤立に悩む人を誰一人取り残さない地域社会を目指します。
  • ② 健康で生きがいをもって自分らしく暮らし続けられる多世代・多文化共生の地域社会を築きます。
  • ③ 困ったときにすぐ相談でき、必要な支援につながる、温かな支え合いの仕組みを整えます。
  • ④ デジタルとアナログが共存し、誰もが参加・参画できる、地域に開かれた組織づくりを進めます。

 事業と活動を両輪として助け合いと協同の力を地域に広げ、地域の課題解決に向けた共創型の福祉を推進します。本政策および推進計画は、おおむね3年ごとに進捗や効果について目標に照らした検証・見直しを行い、組合員と地域に寄り添った福祉を実践していきます。

2.事業と活動

 東都生協は、組合員のいのちとくらしを総合的に支える生活協同組合として、食・くらし・子育て・健康・介護・居場所づくりを一体で支えるくらし丸ごと福祉を展開し、地域で安心して暮らせる環境づくりに取り組みます。共同購入事業や生活支援事業は、日常の見守りや生活機能の維持に直結する地域のセーフティネットとして機能させるとともに、地域のNPOや市民活動への助成を通じて、地域全体の福祉力向上にも貢献します。

 安心して活動に参加できるように子どもを預かる保育制度(1986年~)や、視覚に障害がある組合員に「声の商品案内」を届けるリーディングサービス(1989年~)、会員制で有償の家事援助活動を行う東都生協くらしの助け合いの会 ほっとはんど(1999年~)など、組合員同士の信頼と安心を基礎とした福祉・助け合い活動への参加・参画を広げます。

 組合員からの募金をフードバンクや子ども食堂など、地域で貧困問題の解決に取り組む活動(団体)に助成する「未来につなぐ募金」(2017年~)を活用し、多様な生活状況に応じた活動を推進します。

 ねり状米ぬか石けん「セモラ」を製造する多機能型事業所サングリーン(1991年設立)やリサイクル洗びんセンター(1994年設立)など障害者団体との共同事業、地域の誰もが立ち寄れる場「ふらっと・とーと」(2024年開設)など施設を活用した交流拠点の整備や障害者就労支援、農福連携の取り組みも含め、事業と組合員活動が互いに補完し合い、連携しながら地域課題の解決につながる持続可能な福祉の仕組みづくりを進めます。

3.重点テーマと取り組み

<重点テーマ1> 地域課題の解決へ向けた共創を進めます

 地域の多様な主体の力やつながりを生かして、高齢者などの見守り活動、居場所づくり、孤独・孤立の防止、生活困窮者支援、災害支援体制の整備など、地域全体のくらしを守る取り組みを総合的に進めます。福祉や社会保障への学びを深め、地域の団体や行政と連携して地域福祉の向上を目指します。

<取り組み内容>

  • ・ 見守り協定に基づく取り組みを進め、他の締結事業者との情報共有および地域の人々・関係団体・行政との連携・協力体制を強化します。
  • ・ 地域のさまざまな団体と連携し、フードドライブや食料支援、相談窓口につなぐ仕組みなど、食とくらしのセーフティネットとしての役割を強化します。
  • ・ 災害時に配慮が必要な方を把握し、通常のサービスとも連動した支援体制を整備・構築します。
  • ・ 空き家・空き店舗など地域資源を活用した居場所づくりを検討するとともに、孤独・孤立対策をはじめ、くらし丸ごと相談の受け皿となる地域拠点を育てます。
  • ・ 組合員活動での「サロン」の開催頻度・場所の検討を通じ、地域の居場所づくりを加速させます。
  • ・ 地域課題や社会保障・福祉制度に関する学びを深めながら、地域の団体や行政と課題を共有し、共同プロジェクト創設や課題解決・制度改善に向けた提言を適宜実施して、地域全体の福祉力を高めます。
  • ・ 基本的な福祉知識や障害理解、災害弱者支援、ケアラー(介護者)などについての学習を充実させ、地域全体で支え合う力を育てます。

<重点テーマ2> 福祉・介護ニーズへの対応を強化します

 誰もが住み慣れた地域で、自分らしく安心して暮らし続けられるように、食・くらし・居場所づくり・参加機会の創出をつなぎ、包括的な支援体制を整えます。健康寿命を延ばす介護予防や認知症予防に関する学習・交流など、社会参加や生きがい、健康づくりにつながる活動を推進します。

<取り組み内容>

  • ・ 配食事業や生活支援サービスを組み合わせ、見守りと生活支援を一体的に推進する仕組みを検討・整備します。
  • ・ 健康な食生活を応援するため、栄養バランスのとれた献立やコミュニケーションを重視した配食事業を充実させます。
  • ・ 健康寿命を延ばし、できる限り要支援・要介護状態にならず、あるいは重度化しないように、介護予防や認知症予防の取り組みを推進します。
  • ・ ケアラーが気持ちを分かち合える場や交流企画を広げ、孤立を防ぎ、負担の軽減につなげます。
  • ・ 認知症の症状のある方や高齢者、障害のある方に優しい接遇を進めるため、段階的な職員研修を実施し理解を深めます。
  • ・ デジタル技術を活用し、相談、見守り、健康管理、地域活動などへの参加を促す新たな仕組みづくりを進めます。

<重点テーマ3> 組合員活動を活性化し、参加・参画を広げます

 世代や立場を問わず、誰もが気軽に参加・参画できる包摂的な活動スタイルとコミュニティの場を育て、地域とのつながりや学び合いを広げます。社会福祉と環境保全をつなぐ障害者団体との共同事業・活動を推進し、内外に発信します。

<取り組み内容>

  • ・ オンラインとリアルを組み合わせ、多様な世代が参加しやすい柔軟な活動スタイルを推進します。
  • ・ 地域拠点を活用し、サロン、子育て支援、多世代交流など、気軽に立ち寄れるコミュニティの場づくりを進めます。
  • ・ デジタルが苦手な方にも配慮した、分かりやすい案内やサポート体制を整え、誰もが参加しやすい環境づくりを進めます。
  • ・ 多くの人が担い手として参加・参画できる仕組みを整備し、学び合いを通じて地域を支える仲間を育てます。
  • ・ 障害者団体との共同事業への理解を深めるとともに、組合員による「福祉・助け合い」「食と健康」活動を広げ、商品供給や署名、募金を通じて地域へ発信します。

<重点テーマ4> 食とくらしの安全・安心を総合的に提供します

 持続可能な地域社会の実現を目指して、「食」「健康づくり」「見守り」「生活支援」など、事業と活動が連携して生活支援を強化します。ユニバーサルデザイン、バリアフリー、環境配慮の観点から、誰もが利用しやすい商品・サービスに改善し、くらしの困り事に寄り添った事業と活動を推進します。

<取り組み内容>

  • ・ 高齢者、単身世帯のくらしを支える観点から、品ぞろえの拡充や規格・仕様の改善を進めます。びんの軽量化や、パウチ・缶への変更など、環境にも配慮し、誰もが使いやすい容器・包材への見直しを進めます。
  • ・ ユニバーサルデザインの視点を取り入れた品ぞろえや情報媒体の工夫、デジタル技術の活用、供給システムの見直しを進め、誰にも優しく、安心して利用できる事業とサービスを実現します。
  • ・ 単身者、高齢者、障害者、子育て世帯などの困り事に寄り添い、日常の生活支援から緊急時まで切れ目なく対応できる体制を整えます。
  • ・ 子どもの居場所、食、学習への支援や生活困窮者への支援に取り組む団体との連携、農業体験、リユースびん商品の利用を通じて福祉と環境をつなぐ取り組みを推進する3R活動など、地域貢献につながる実践を育て、持続可能な取り組みへ発展させます。
  • ・ 障害のある方の就労機会拡大やスキルアップを支援するとともに、組織内での福祉事業・活動の認知度と意識の向上を図り、地域社会や組織内で活躍する人材の育成につなげます。
  • ・業務組織での障害者雇用に関する目標や考え方を策定し、障害者のキャリア開発・形成支援、施設のバリアフリー化、農福連携の推進など、障害者が活躍できる職場環境づくりを進めます。