「以前のように食べられなくなった」
「動かない分食事を制限している」
「食事を作るのがおっくう」
…思い当たる節はありますか?
また、身近なお年寄り(親、ご近所さんなど)がこんなことをつぶやいていませんか?
いくつになっても体を動かすためには、ある程度のエネルギーとたんぱく質は必要です。高齢者でも1日1,300kcalは必要とされています。食が細ってしまうと、理由はさまざまでも「低栄養」状態に陥ってしまう可能性があります。
低栄養とはエネルギーとたんぱく質が欠乏した状態、健康な体を維持し活動するのに必要な栄養素が足りない状態をいいます。高齢になると、うまく食べられなくなったり消化機能が低下していたりして、栄養だけでなく水分も十分に摂れなくなることが起こりやすいのです。
高齢者は体が思うように動かせなくなる状態がひとたび起きると、「寝たきり」につながっていくことが多く、それを防ぐための「転倒予防」という考え方はここ数年でよく知られるようになってきました。まず体を動かせる状態を維持することが大事で、そのためにはしっかりエネルギー・たんぱく質を取ることが重要になってきます。
カルシウムは骨の材料や全身の筋肉の働きに、亜鉛は皮膚の健康や免疫機能の働きに重要なミネラルです。でも、エネルギーやタンパク質が不足した状態では、これらをたとえサプリメントで大量に取っても有効には働きません。骨の健康にも細胞づくりにも血液の材料としても、たんぱく質は重要です。20代も高齢者も、体に必要なたんぱく質量は同じです。
チェック数の多い方は、低栄養への注意が必要です。
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- 食事は簡単なもの1~2品で済ませることが多い
- 脂っこいもの、肉、卵、乳製品などは控えめにしている
- 糖尿病などの病気のため、食品や調味料の摂取量が制限されている
- 食べ物の好き嫌いが多い
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- 痩せてきた
- 風邪をひきやすかったり、傷が治りにくかったりする
- 口がかわき、唾液がべたべたする
- 食欲がない、だるい
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- よだれや口からこぼすことが多い
- お茶や汁物でよくむせる
- 口の中に食べ物を長くためこんでいる
- 食べ方が遅くなり、食べる量が減った
- たんがからみやすい
BMI(Body Mass Index:体格指数)も指標になります
BMI=体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]
例えば、身長155cm/体重55kgの場合は、
55÷(1.55×1.55)≒22.89≒BMI23となります。
BMI25以上は肥満、BMI18.5未満は低栄養の注意ゾーンです。
BMI=体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]
例えば、身長155cm/体重55kgの場合は、
55÷(1.55×1.55)≒22.89≒BMI23となります。
BMI25以上は肥満、BMI18.5未満は低栄養の注意ゾーンです。
人の体は食べ物から取る栄養で維持されています。でも、多くの人はその認識が薄く、体調に合わせてどんな食事を取ったらよいかもよく知りません。「食は生命線」という認識をみんなで持つことが、低栄養を防ぐ第一歩です。
*出典・参考:藤谷順子、江頭文江監修「じょうずに食べて元気で長生き 低栄養予防のお助けブック」
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