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世田谷区烏山で「農ツアー」開催
烏山地域を巡りながら農に触れ、みんなで都市農業の未来を考えました


大谷農園でにんじん栽培の現状を学習
2025年11月28日(土)、東都生協とJA東京中央との連携企画「農ツアー in 烏山」が開催され、東都生協からの組合員9人、JA東京中央からの参加者を含め約30人が参加しました。
「農ツアー」は、JA東京中央が地域を巡りながら農に触れる機会として企画しました。当日は冬の寒さとなりましたが、晴天に恵まれ絶好の農ツアー日和となりました。
◇ファーマーズマーケット千歳烏山
最初に訪れたのは「ファーマーズマーケット千歳烏山」。髙橋会長から、マーケット誕生の経緯や魅力についてお話を伺いました。
本橋店長からは「ぜひ、いろいろな種類の青果物を食べて、お気に入りを見つけてください」とのメッセージがあり、参加者の皆さんも興味津々でした。
◇下山千歳白菜発祥の地・記念碑見学(9丁目の屋敷林)
次に訪れたのは、江戸東京野菜「下山千歳白菜」発祥の地。バス通りから小道を入ると、紅葉が美しく色付く古民家の横に、その記念碑がたたずんでいました。
JA東京中央の職員より、下山千歳白菜は一般的な白菜の2~3倍と非常に大きいことや、現在は栽培されておらず種のみ冷蔵保存されていることなど、貴重なお話を伺うことができました。

ファーマーズマーケット千歳烏山にて

「下山千歳白菜」発祥の地にたたずむ記念碑

下山千歳白菜の大きさは普通の白菜の2~3倍
◇西沢つつじ園
続いて訪れたのは「西沢つつじ園」。生産者の西澤和義さんから、つつじの栽培方法や剪定(せんてい)時期などを直接伺うことができ、参加者にとって貴重な学びの時間となりました。
紅葉に染まる11月のつつじ園で、参加者は満開になる春の時期の訪問を楽しみにしている様子でした。お話の後には、西澤さんの心遣いで温かい豚汁が振る舞われ、冷えた体を温めるおいしい一杯に笑顔が広がりました。

つつじ栽培について学習

春期に見られるつつじ

西沢つつじ園で豚汁をごちそうになりました
◇大谷農園
最後に訪れたのは「大谷農園」。
生産者の吉田大記さんに案内していただき、長ねぎ・にんじん・大根の栽培について学びました。
長ねぎ栽培での吉田さんの工夫や、気温上昇によりにんじんの栽培が難しくなっている現状、東京江戸野菜「大蔵大根」について、詳しく説明していただきました。
ツアーの締めくくりには、大根の収穫体験を行いました。掘ってみるまで大きさが分からない大根の収穫作業に、参加者はワクワクしながら挑戦。自分で収穫した大根を手に笑顔を見せていました。

大谷農園の長ねぎ栽培の工夫を伺いました

立派な「大蔵大根」を収穫!

ずしりと重い大蔵大根
地域を巡りながら農に触れる機会として、また、今回の農ツアーで約2キロを歩くことで健康面も考えた企画となりました。この企画は、2022年に東都生協とJA東京中央が連携協定を結んだことで実現することができました。今後も都市農業に触れる機会、食と農を学ぶ機会として、さまざまな取り組みを続けていきます。

生産者の吉田さんと参加者。収穫した大蔵大根を手に(大谷農園)
世田谷でみかんの収穫体験
JA東京中央と共に地域の食と農を守り、豊かなくらしの実現を目指して


世田谷区上祖師谷の川本農園でみかんの収穫作業を体験
2025年12月6日、東都生協はJA東京中央との新たな連携企画として「世田谷産みかん収穫体験」を開催しました。
小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩約20分、世田谷区上祖師谷の住宅街の一角に広がるみかん畑が今回の会場です。
みかん畑を維持する川本農園は、同地で300年以上続く農家。落ち葉や枝を細かく砕いて土に混ぜ込み、自然の力を生かした土づくりを行うとともに、木と木の間隔を広く取り、日光をたっぷり浴びさせて育てる栽培方法に取り組んでいます。
当日は午前10時と午前11時20分の2部に分けて開催。横浜から車で参加した家族を含む21組・52人の組合員とその家族が、みかんの収穫作業を体験しました。
参加者は籠とはさみを手に畑を巡り、好みのみかんを収穫。小ぶりな実を選ぶ方、艶を重視する方など、子どもから大人まで笑顔で収穫を楽しんでいました。
収穫量は1kgから8kgまでさまざま。中にはジャムづくりに挑戦するとのことで、袋いっぱいのみかんを持ち帰る参加者の姿も見られました。
参加者からは「子どもと一緒に収穫できて楽しかった」「都内でこのような体験ができるのは貴重」「みかんをおいしくいただいております」といった声が寄せられました。

収穫方法を説明する川本さん

樹間が広く、光がたくさん入るみかん畑

じっくりと吟味して収穫

1つ1つ、丁寧に...

自前のかごを使って

かごいっぱい取れたよ!
- 世田谷でみかん狩りができるとは思っていなかったので、貴重な体験でした。東京の農家さんは農地を相続する際の税金が高額で、畑を売却せざるを得ないこともあると伺いました。農地が減っている中で、今日みかん狩りができて本当に良かったです。
- 360°太陽の光が当たる広々とした畑で、低木に剪定(せんてい)されたみかんの木はしっかり手入れされていました。たわわに実ったみかんは粒ぞろいで、見た目にも「これはおいしい」と分かる見事なもの。30分ほどの短い体験時間でしたが、収穫の楽しさを十分に満喫できました。ありがとうございました。
- 2歳の娘も上手にはさみを使ってみかんを収穫していました。自分で取ったみかんをうれしそうに見つめる姿が印象的で、良い食育になったと感じます。自然に触れながら親子で楽しめる、素敵な時間でした。
東都生協はJA東京中央と2022年に連携協定を締結。相互の組合員と地域住民の食と農を守り、豊かなくらしを実現するため、これまでさまざまな企画を展開してきました。
今回の世田谷産みかん収穫体験では、子どもたちの元気な声も飛び交い、みかんを通じて食や農を考えるきっかけになりました。今後も、都内で農業体験を通じて食育を学べる取り組みを検討していきます。

家族みんなで協力して収穫

でべそのみかんを見つけたよ

収穫した重さでお支払い
いしおかオーガニックフェス in やさと に出展
八郷地区の自然を満喫するイベントを通じて、つながり合い、生かし合う

東都生協は試食イベント車を持ち込み、
「やさと有機ねぎ入りチヂミ」を提供

会場は朝日里山学校(茨城県石岡市)
東都生協は2025年12月6日、茨城県石岡市の朝日里山学校で開催された「いしおかオーガニックフェス in やさと」に出展。東都生協からは大型バス1台とマイカーでの参加を含め、組合員など38人が参加しました。
このイベントは、地元の有機食材を使った飲食店の出店や有機農産物などの販売、大根の収穫体験など、食や農の体験を通じて共に生きる関係を未来へとつなげていくために、石岡オーガニックフェス in やさと実行委員会の主催(※)により開催されました。
この実行委員会には東都生協からも職員が毎月参加し、開催に向けた準備をお手伝いするとともに、協賛という形でも協力しました。
筑波山の麓に広がる石岡市の八郷地区は、全国でも有数の有機農業が盛んな地域で、東都生協の産直産地・JAやさとが位置しています。
会場となった朝日里山学校は、廃校になった小学校(1955年建築)の木造校舎を活用し、NPO法人アグリやさとが運営する交流・体験施設です。
地元産の有機食材を扱ったさまざまな店舗が立ち並ぶ中、東都生協は試食イベント車で「やさと有機ねぎ入りチヂミ」を販売しました。
JAやさと有機栽培部会の生産者が育てた有機ねぎなどを食材に使い、東都生協のワーカーズ・コープのスタッフが調理。行列ができるほど好評で、作るのが追い付かないほどの盛況ぶりとなりました。
「オーガニックフェス」のため、材料は有機にこだわり、調味料も有機中濃ソース、有機めんつゆを使用。来店した茨城の生協組合員は、珍しがっている様子でした。何より一番喜ばれたのは、JAやさとの皆さんが育てた有機長ねぎの香ばしい香り!
10時過ぎから開店しましたが、午後3時には有機長ねぎを使い切って終了しました。寒い中でしたが好天にも恵まれ、来店した皆さんは「とてもおいしい」と喜んでいました。

盛況となった東都生協の試食イベント車

産直産地・JAやさとは有機農産物を販売

NPO法人アグリやさと代表 柴山 進氏
※共催:NPOアグリやさと、NPOつながりつながる研究所、JAやさと
後援:石岡市、石岡市教育委員会、茨城県県南農林事務所
「食」の学校特別企画「第3回ふるさと料理教室」を開催しました
「めはりずし」と「のっぺい汁」で味わう、ふるさとの知恵とぬくもり

2025年10月18日、東都生協は3回目となる「食」の学校登録者を対象とした特別企画「郷土の味で旅する!ふるさと料理教室」を開催しました。
今回のテーマは和歌山県の「めはりずし」と新潟県の「のっぺい汁」です。会場は、前回に引き続きシンクネクスト キッチンスタジオ(世田谷区船橋)。5組7人の組合員が参加し、和やかな雰囲気の中で郷土料理作りを体験しました。
講師は、料理研究家の今別府靖子(いまべっぷ やすこ)氏。雑誌やテレビ、講演会などでも活躍され、「誰でも無理なく、楽しく作れる料理」をモットーに、実践的で親しみやすい指導が好評です。
■郷土料理に込められた知恵と文化
「めはりずし」と「のっぺい汁」の調理実演に入る前に、それぞれの料理に込められた地域の文化や背景について今別府氏が解説しました。
「目を見張るほどおいしい」「目を大きくして食べる」など、「めはりずし」は名前の由来にも地域のユーモアや愛着が込められています。一方「のっぺい汁」は、家庭ごとに具材や味付けが異なり、冷やして食べる地域もあるなど、食文化の多様性を感じられる一品です。

はじめに今別府先生が調理実演

続いて全員でめはりずし作り

参加者の皆さま
■実演で学ぶ、調理の工夫と知恵
調理は今別府氏の実演からスタート。
めはりずしでは、高菜漬けの扱い方や、茎の部分も刻んでご飯に混ぜることで食材を無駄なく使う工夫が紹介されました。
先にめはりずしを仕上げておくことで、実食までの間にご飯と漬物の味がなじむという段取りも学びのポイントに。
のっぺい汁では、里いものとろみを生かす調理法が注目されました。下ゆでせずにそのまま煮ることで自然なとろみが出るほか、あくを取り過ぎないこともポイント。近年では片栗粉でとろみを加える家庭もあるとのことで、昔ながらの知恵と現代の工夫の両方を学ぶことができました。

切り終えたのっぺい汁の具材

今別府先生が実地に指導

のっぺい汁に調味料を投入
■試食と交流で深まる「食」の楽しみ
調理後は、参加者全員で試食タイム。
料理の感想や家庭での食卓の話題、子どもたちの学校給食の話など、会話が自然と広がり、笑顔があふれる時間となりました。
参加者からは、
・子どもも参加していたのでとても良かった
・先生とテーブルを囲んで実食できてうれしかった
といった声が寄せられ、学びと交流のある温かなひとときとなりました。

完成したのっぺい汁を盛り付け

今回のテーマ料理2品が完成

今別府先生を囲んで試食
【東都生協「食」の学校のご案内】

ライス博士(食の学校公式キャラクター)
各回は「食」の学校登録者にご案内しています。ぜひ「食」の学校にご登録の上、次回の料理教室にご参加ください。
東都生協「食」の学校では、これからも"見て、感じて、学ぶ"体験を大切にした企画を通じて、「食」への関心や学びを広げていきます。
「食」の学校特別企画「第2回ふるさと料理教室」を開催しました
料理研究家・今別府靖子氏を講師に山形県の「芋煮」、兵庫県の「とふめし」作りを体験

今別府先生よりテーマ料理の背景を解説

はじめに今別府先生が調理実演
2025年9月20日(土)、東都生協は「食」の学校登録者優先の特別企画 「郷土の味で旅する! ふるさと料理教室 ~日本各地の"おいしい"を、つくって・知って・味わう体験型プログラム~」の第2回を開催しました。
今回のテーマ料理は山形県の「芋煮」と兵庫県の「とふめし」。会場のシンクネクスト キッチンスタジオ(世田谷区船橋)には4組・計6人の組合員が参加しました。
講師を務めたのは、料理研究家の今別府靖子(いまべっぷ やすこ)氏。雑誌やテレビ、講演会などで活躍する今別府さんは「誰でも無理なく、楽しく作れる料理」をモットーに、親しみやすく実践的な指導で人気を集めています。
■郷土料理に込められた知恵と文化
今別府氏は冒頭、今回の郷土料理が伝わる地域の食文化について解説。
山形県の芋煮は、秋になると河原で大鍋を囲む「芋煮会」が恒例行事となっていること、兵庫県のとふめしは、おかずがなくても満足できる一品として親しまれていることなど、料理に込められた地域の知恵や暮らしぶりを紹介しました。
■実演で学ぶ、調理のコツ
今別府氏による芋煮の調理実演からスタート。
食材の切り方の実践はもちろん、こんにゃくはスプーンや手でちぎると味がしみやすいこと、きのこの無駄なく使える切り方など、日々の料理に役立つ豆知識が次々と飛び出します。
参加者はメモを取ったり、うなずいたりしながら、和やかな雰囲気で学びが進みました。

芋煮の具材を準備。こんにゃくはスプーンを使って一口大に

里いもなどの根菜は水からゆでるのがコツ

芋煮の出来上がり!
■とふめしのポイントは「豆腐をゆでる」こと
兵庫県の郷土料理「とふめし」で注目されたのが、豆腐の下ごしらえ。
豆腐はじっくりゆでることで余分な水分が抜け、炒めても崩れにくく、しっかりとした食感になります。さらに、ご飯と混ぜても水っぽくならず、全体がほどよくなじみます。
今回は事前にゆでた豆腐を使用しましたが、家庭で作る際には少し手間に感じるかもしれません。しかし、この工程が仕上がりの味や食感に大きく影響するため、ぜひ取り入れてみたいポイントです。

みんなで食材を切り分けます

食材を炒めて、とふめしの具作り

盛り付け
■試食と交流で広がる「食」の楽しみ
調理後は、参加者全員で試食タイム。本日調理した郷土料理の話題から子どもたちの学校給食の話題まで、会話は尽きることなく、笑顔が広がります。
参加者からは、
「豆腐を1時間ゆでるという調理法に『なぜ?』と興味を持ちました」
「郷土料理の奥深さに触れました」
「芋煮は地域によって味付けが違うことや、料理ができた歴史なども自然と学べました」
「子どもと一緒に台所に立つ機会を頂けてうれしかった」
「食事後の談話で有意義な情報がたくさん聞けて楽しかった」
など、料理教室を通じて得られた気付きや喜びの声が寄せられました。

今回の郷土料理、芋煮と「とふめし」が完成

今別府先生を囲んで実食
【ご案内】
ふるさと料理教室は、8月から1月までの毎月1回、全6回開催しています。
各回は「食」の学校登録者にご案内しています。ぜひ「食」の学校にご登録の上、次回の料理教室にご参加ください。
東都生協「食」の学校では、これからも"見て、感じて、学ぶ"体験を大切にした企画を通じて、「食」への関心や学びを広げていきます。
日本の水田を守ろう! みんなdeミーティングを開催しました
生産者と消費者が信頼でつながり、産直米を守り続ける
全農パールライス㈱ 服部常務取締役
東都生協商品部 菱木職員
北海道・(有)どさんこ農産センター 石川取締役
新みやぎ農業協同組合 佐々木部会長
茨城県・やさと農業協同組合 廣澤専務理事
滋賀県・グリーン近江農業協同組合 安孫子課長
東都生協 橋本副理事長
東都生協 奥山専務理事
2025年8月22日、東都生協は「日本の水田を守ろう! みんなdeミーティング」を東京都農業会館(渋谷区代々木)にて開催しました。会場には約90人、オンラインでは150人近くの東都生協の組合員、生産者、関係取引先、職員が集まりました。
今回の「みんなdeミーティング」は、昨年来のいわゆる"令和の米騒動"について、生産者の状況を正しく知り、日本の稲作・水田を未来に引き継ぐ行動について考える機会として開催。「消費者の食べ続ける約束があってこそ、生産者は米をずっと作り続けられる」として、産直米を食べ続けるために正しい情報を知り、みんなでできることを考えました。
開会あいさつで東都生協・風間理事長は「報道だけでは伝わらない現場の声を届けることが生協の責務だ」として「日本の米の危機的状況の中で、生産者と消費者が対等な立場で意見を述べる貴重な機会。活発な意見を頂戴したい」と述べました。
米に関する情勢報告
初めに登壇した全農パールライス㈱の常務取締役 服部康行氏は「令和の今回の米騒動は、需要に対して生産が不足していたこと、農林水産省の認識が甘いまま対応しなかったことが原因だった」と指摘。
「卸会社では2023年産米の収穫段階から年間供給に不安があった」として、米騒動が起きた経緯、マスコミや消費者の動き、備蓄米放出に当たっての障壁など、さまざまな視点から米騒動を振り返りました。
服部氏は、2025年産米の買取価格が例年に比べて高くなっていることを示し「今後は生産者と消費者の適正価格のギャップがどう埋めるかが課題。令和の米騒動は日本の農業のさまざまな課題を浮き彫りにした」とまとめました。
東都生協からは商品部部長補佐の菱木正悟職員が産直米について報告。「天日干し米」や「農業高校リレー米」など、長年にわたる東都生協の産直米の取り組みを紹介しました。
併せて「令和の米騒動」について、東都生協内でも急激に産直米の需要が増え、年間契約量の範囲で対応するために抽選で対応せざるを得なくなった経緯を説明。「今後は東都生協として『登録米』から『約束米』へと進化させることで生産者とのつながりを強め、価格設定の見える化を進め、国産米を誰もがおなか一杯に食べられる社会を目指したい」としました。
生産現場からの声
有限会社どさんこ農産センター取締役 石川隼人氏
「地域の水田を守りたいと農業を始めた。コロナ禍では、米の買取価格は下がる一方で肥料や資材代が上がり、一番厳しかった。これまでの米価格は家族労働でしか賄えないほど低水準だったが、2025年産米の価格が上がることで『米を育てたい』という若者が挑戦できる環境を整えることができる」と話しました。
新みやぎ農業協同組合田尻産直委員会米部会 部会長 佐々木武美氏
「田尻産直委員会米部会は50年にわたり、安全·安心な農産物を消費者に届けたいという強い思いで活動してきた。生産者の高齢化、資材の高騰などさまざまな課題があるが、特に除草作業が大変。一つ一つの課題に向き合い、2025年産米についても安全·安心でおいしい米を生協の組合員へ届けられるように頑張っていきたい」と語りました。
やさと農業協同組合 専務理事 廣澤和善氏
「長い間生産調整をしてきた結果が米騒動につながった。政府は農業の大規模化を推奨しているが、日本の農業の4割は中山間地で行われている。そのため、中山間地での農業が生き残るための政策も必要になっている。これからの産直の取り組みは、産地で消費者自らが食料作りに参加することで、産地と生協組合員の関係を強化していくことにある。産地とつながる生協産直の未来に向けた発想の転換が必要だ」と語りました。
グリーン近江農業協同組合 販売推進課 課長 安孫子雅則氏
「近江は環境こだわり農業の取り組みが日本一。米については価格の下落、労働力不足、資材高騰により、麦や大豆へ転換が増えて水田が減り、米の収量は近年減少傾向にある。生産者が安心して農業を続けていけることを目指している。作る約束と食べる約束により、これからは『約束米』作りに組織を挙げて取り組み、生産者と生協組合員をつないで食べる量=作る量を明確にすることで安定供給に努めていきたい」と話しました。
続けて東都生協・橋本副理事長が組合員から寄せられた声を紹介。米が届かないことへの不安の声など現実的な課題のほか、「農業を自分事として考える」組合員の意識変化が見られることを報告しました。
「今回の米騒動に限らず、産地や生産者と近い距離にある東都生協だからこそ、日本の農業の未来に責任を持つことが重要。産地と組合員がより近い関係になれるように、みんなで米について考える企画を進めている」として「今回の各方面の思いを受け止め、消費者は安さを求め過ぎず、一人一人が農業という課題を自分事としてとらえ、東都生協というプラットフォームを産地直結で創り上げていきたい」と述べました。
閉会あいさつに立った東都生協・奥山専務理事は「『食べ続ける約束と作り続ける約束』とい信頼関係が重要。米はいつでもあるものではなく、守り続けることが必要な時代になっている」と述べました。
また「最も大切なのは生産を自分事として捉えることだ」として「生産者にとって必要な価格と、消費者が利用し続けられる価格を追求することが必要。これからも東都生協組合員・役職員が一体となって、持続可能な農業を維持できるように活動を続けていきたい」と締めくくりました。
今回の学習会を通じて、米は「あって当たり前」ではなく、守り続けることが必要な時代であることをみんなで共有することができました。生産者と消費者が信頼でつながり、持続可能な農業を支える仕組みづくりを目指して、東都生協は「約束米」に取り組んでいきます。
登壇いただいた産直産地の皆さまと
「協同組合フェスタTOKYO2025」に出展
食育体験企画でイベントを盛り上げました

手のひらをセンサーに当てて推定野菜摂取量を測定

1日分350gを目指し、野菜の重さ当てクイズ
国際協同組合年2025に当たり、東京の協同組合を広く都民に知らせるため2025年9月13日に開催された「協同組合フェスタ TOKYO2025」に、東都生協は東京都生協連のブースで共同出展しました。
2025国際協同組合年東京都実行委員会が主催するこのイベントには、東京都内のさまざまな協同組合が参加。会場のJA東京アグリパーク(渋谷区代々木)は、450人を超える来場者でにぎわいました。
東都生協のブースには午後1時から2時10分までの1時間余りで、家族連れを中心に40人以上の方が訪れました。ブースでは参加者自身の食生活に関心を持っていただくため、2つの食育体験企画を実施しました。
「ベジチェック®」で推定野菜摂取量を測定
食習慣改善に向けた行動変容のきっかけにと、「ベジチェック®」(※)を使って参加者の野菜摂取量を測定。
この機器は手のひらをセンサーに数十秒当てるだけで、簡単に日頃の推定野菜摂取量を測定できます。東都生協組合員の方は比較的数値が高い方が多い傾向が伺えました。
※カゴメ㈱が開発・製品化した機器。当日は日本コープ共済連からお借りして実施しました
野菜の重さ当てクイズ
おとな1日当たりの野菜摂取目標量350gを目指し、実際に生野菜をトングで取って重さを当てるゲーム。ほとんどの方が、目標に届かない中で、350gピッタリ量ることができた親子には、大歓声が上がりました。しかも東都生協の組合員だと知って納得!
「食」の学校特別企画「第1回ふるさと料理教室」を開催しました
料理研究家・今別府靖子氏を講師に各地の郷土料理作りを体験

本日の料理を説明する講師の今別府先生
2025年8月23日(土)、東都生協は「食」の学校登録者優先の特別企画 「郷土の味で旅する! ふるさと料理教室 ~日本各地の"おいしい"を、つくって・知って・味わう体験型プログラム~」の第1回を開催しました。会場のシンクネクスト キッチンスタジオ(世田谷区船橋)には、8組 計10人の組合員が参加しました。
講師は、家庭料理の楽しさと大切さを伝える料理研究家・今別府靖子(いまべっぷ やすこ)氏。雑誌やテレビ、講演会など多方面で活躍する今別府氏は、「誰でも無理なく、楽しく作れる料理」をモットーに、親しみやすく実践的な指導で人気を集めています。
■ 今回の料理:宮城県「ずんだ餅」と宮崎県「冷や汁」
今別府氏は冒頭、料理の由来や食文化について解説。「ずんだ餅」の「ずんだ」の語源には戦国大名の伊達政宗公が関連している説など諸説あることや、「冷や汁」は暑い時期に農民が麦飯に生みそをのせ、それに水をかけたことが起源の料理であることなど、郷土料理にまつわる歴史や地域の背景に触れるひとときとなりました。
■ 昔ながらの工程で郷土料理を体験
今回の料理はどちらもすり鉢を使って調理。手間はかかるものの、昔ながらの工程をたどることで、郷土料理ならではの味わいと雰囲気を楽しむことができました。
特に参加者の関心を集めたのは、冷や汁のみそを焼く工程。「香ばしさとコクが加わり、料理の深みが増す」と今別府氏は説明しました。

今回使用する食材です

今別府先生の指導を受けながら調理

すり鉢で枝豆をすりつぶします
■ 試食と交流の時間
完成した料理は参加者全員で試食。
出身地の郷土料理や家庭でのアレンジ方法など、今別府氏を交えて活発な交流が行われました。

生地をこねて白玉作り

豆腐でできた白玉(ゆでる前)

完成した「ずんだ白玉団子」
<参加者の声>
・「家ではなかなか丁寧にできないので、ゆっくり楽しんでできました」
・「みそを焼くことで、ごちそう感がアップしておいしかった」
・「食に興味がある人たちとご一緒できてうれしかった」
・「おなか一杯食べてしまいました」

「冷や汁」があと少しで完成

みそを焼き、香ばしさとコクを出します

出来上がった料理を試食する参加者
ふるさと料理教室は、8月から1月までの毎月1回、全6回開催します。
各回は「食」の学校登録者にご案内しています。ぜひ「食」の学校にご登録の上、次回の料理教室にご参加ください。
東都生協「食」の学校では、これからも"見て、感じて、学ぶ"体験を大切にした企画を通じて、「食」への関心や学びを広げていきます。
JA東京中央と「再発見!協同組合フェスタ!」を開催
共に東京の農業を知り、地域の食と農を守り、豊かなくらしの実現を目指す

JA東京アグリパーク入口

オープニングセレモニー
2025年8月9日、東都生協はJA東京中央との共催で「再発見! 協同組合フェスタ!」をJA東京南新宿ビルで開催し、300人を超える来場者でにぎわいました。
このイベントは、今年の「国際協同組合年」を記念し、東京の農業と地域社会への貢献を目指して連携協定を締結している両組合の事業や取り組みを発信することで多くの方に魅力を再発見していただくことを目的に企画しました。
◇会場の様子
1階では、来場者先着300人にJA東京中央の麦茶ティーバッグをプレゼントしました。
会場内には、JA東京中央ファーマーズマーケットで取り扱っている世田谷サンドやスムージー、東都生協の商品を販売する「食のブース」や、両組合の事業や活動を紹介する「発信ブース」を配置。クイズ形式で楽しく学べる「クイズラリー」を各ブースに掲示し、多くの来場者でにぎわっていました。
3階では、協同組合について学べる「2025国際協同組合年」(IYC2025)ブース、「野菜のクイズコーナー」「トマトの重量当てクイズ」「ごみ分別魚釣りゲーム」「射的」など、子どもから大人まで楽しめる企画が盛りだくさんでした。
特に人気を集めたのが「やさいスタンプでオリジナルトートバッグ作り」。れんこんやオクラなど本物の野菜を使って、個性豊かな作品が次々と生まれました。
「地震体験! ザブトン教授の防災教室」のコーナーでは、イス型の地震動体験装置「地震ザブトン」で、過去に起こった地震のリアルな揺れを、多くの来場者が興味深く体験していました。
「つながり」をテーマにしたメッセージコーナーには約100人の方が最近感じた「つながり」についてコメントいただきました。

多くの人でにぎわう会場

[発信ブース]東都生協の取り組み紹介コーナー

[発信ブース]JA東京中央の取り組み紹介コーナー

[食のブース]東都生協のお薦め商品を販売

[食のブース]JA東京中央 かき氷を販売

[食のブース]JA東京中央の野菜・果物で作ったスムージー
◇1階「発信ブース」「食のブース」コーナー
食のブースでは、JA東京中央ファーマーズマーケットで取り扱っている世田谷産の野菜を使っ世田谷サンドやスムージー、ブルーベリージュース、かき氷を、東都生協からは50周年開発商品の「河内晩柑やわらかドライフルーツ(熊本県産)」や国産果汁ジュースを販売しました。
発信ブースでは、各団体の事業や取り組み、国際協同組合年の取り組みを発信しました。
・国際協同組合年ブース = 各協同組合、社会、地域づくりに取り組みなどを展示しました。
・JA東京中央 = 事業や取り組み、都市農業を支える事業・くらしに備える金融について紹介しました。
・JA東京中央セレモニーセンター = 取り組み内容、ペット葬などを紹介しました。
・東都生協ブース = JA東京中央との連携協定締結、事業紹介、商品案内やリサイクルびん、牛乳パックなどを展示しました。

2025国際協同組合年ポスターを掲示

受付で先着300人に麦茶ティーバッグプレゼント

来場者受け付け
◇3階「体験ブース」コーナー
・「野菜スタンプを使ってオリジナルトートバッグをつくろう」 = カットした野菜をスタンプにしてオリジナルのバッグを作りました。
・「野菜知識クイズ」 = 野菜に関するクイズを出題、野菜の基礎知識を学びました。
・「トマト重量当てクイズ」 = 産直産地で育てている北海道産トマト、さまざまな形状、重さのものが収穫されます。トマトを選んで、正解者にトマトをプレゼントしました。
・「ごみ分別釣りゲーム」 = 釣り竿で魚に扮したごみ(可燃物、不燃物、缶など)を釣り上げ、分別してもらいました。
・「射的コーナー」 = 野菜知識クイズ、ごみ分別釣りゲームで射的の玉をゲット! 射的を楽しみました。
・「メッセージコーナー」 = 「つながり」をテーマに、来場者の皆さまから応援メッセージを頂きました。

[体験ブース]うまく出来るかな

[体験ブース]いろいろな野菜をスタンプに

[体験ブース]野菜スタンプでトートバック作り
<メッセージコーナー> ※一部をご紹介します
・産地交流訪問でお世話になった生産者さんの小松菜が届いた♡
・今日という日😊
・東都生協とJA東京中央のイベントに参加して、知らないことが楽しく学べた
・地域のつながり好きです
・共感 共有 協同
・楽しい時間をありがとう
・こちらの企画で地球や食のつながりを感じました!
・人間関係で悩んでいた時に母が一緒に悩んでくれて、今までより絆が深まった。
・びんのリユース活動が、障害者の雇用につながる―良いことがつながっている😊
・周りにいる人たちを大切にしたい
・東都生協の活動―地域のつながり大切にしたい―参加します♡
・今の時代、人とのつながりの大切さを感じます

[体験コーナー]トマト重量当てクイズ

[体験コーナー]ごみ分別釣りゲーム

[体験コーナー]射的コーナー

[体験コーナー]シミュレーター「地震ザブトン」で大規模地震の揺れなどを体感

つながりをテーマに多くのメッセージが届きました
<参加者アンケート> ※一部をご紹介します
・日常では気にしたことのない知識を得ることができ、とても有意義だった。
・JA東京中央の活動内容を詳しく知ることができた。
・2025国際協同組合年(IYC2025)について、知人や家族に教えていきたいと思った。
・JA東京中央と東都生協の関わりや触れ合いが学べた。
・地震体験がとてもリアルで驚いた。
・子どもも大人も楽しめるイベントだった。
・知らないことをたくさん学べて、とてもためになった。
・野菜のことを楽しく学べた。
今回の再発見! 協同組合フェスタには双方の組合員や役職員が訪れており、2025国際協同組合年に当たっての協同組合への理解、認知を広げる取り組み、両組合の取り組みを再発見する機会となりました。
2025年度の活動計画として、2025国際協同組合年に当たっての協同組合への理解、認知を広げる取り組み、東京の農業を知る農業体験、教育研修を介した人材交流の推進や、さらなる情報発信の強化を柱に活動を進めることを両団体で確認しました。
東都生協はこれからもJA東京中央との連携を強めながら、引き続き、東京の農業を知り、地域の食と農を守り、豊かなくらしの実現を目指す取り組みを一緒に進めていきます。
「魚を描いて学ぼう! 〜食を見つめるアート体験〜」を開催しました
東都生協「食」の学校 夏休み特別課外授業

講師は、魚譜画家の長嶋祐成氏
2025年8月2日(土)、東都生協「食」の学校の夏休み課外授業として、「魚を描いて学ぼう! 〜食を見つめるアート体験〜」を開催しました。
会場の東都生協さんぼんすぎセンター地下ホール(杉並区下高井戸)には、組合員のお子さんたち12組・計14人の小・中学生と3人の未就学児が参加し、魚を見て描く特別な90分間を過ごしました。
◆ 実物の魚と向き合い、自由に描く
講師は、魚譜画家(ぎょふがか)として活躍する長嶋祐成(ながしま ゆうせい)氏。海の生きものたちを絵に描くことで、命の美しさや多様さを伝える活動を続けています。
みんなで描く対象は、前日に仕入れた新鮮な「真さば」。中でも今回は「関さば」を選びました。大分市佐賀関(さがのせき)沖「速吸の瀬戸(はやすいのせと)」で一本釣りで漁獲され、佐賀関町の認定シールが貼られた本物です。
子どもたちは、目の前の真さばの形や模様、質感をじっくり観察しながら、"プロ仕様"の絵の具を使って自由に表現しました。
長嶋氏からの「正確に描くことが目的じゃない。自分が感じた世界を描いてみよう」といったアドバイスも受けながら、会場にはのびのびとした創造の空気が広がりました。

描く対象をみんなでじっくりと観察

本日の題材、真さば(関さば)

個別にアドバイスする長嶋先生
◆ 「食」をテーマにした、見る・感じる・表現する学び
本企画は、動画で学ぶ東都生協「食」の学校の取り組みの一環で、日々の「食」についてより深く見つめ直す体験の場として開催したものです。
生き物としての魚の姿に向き合い、自分の目と手でかたちにしていくプロセスを通じて、「食べる」という行為の背景にある命の重みや自然の多様性にも触れる、そんな時間となりました。

感じたままをスケッチ

作品を切り抜き

額装して完成!
◆ 作品は額装して持ち帰り、記念に
完成した作品は、各自で切り抜いて額装し、世界に一つだけの「魚のアート作品」として持ち帰りました。最後には参加者全員で記念撮影も行いました。

参加者の作品

どれも感性あふれる作品です

こちらは長嶋先生の作品!
【参加保護者の声より】
「本物の魚を見て描くだけでなく、"世界観を切り取る"という体験が新鮮でした」
「そっくりに描くのが正解じゃない、という考え方が子どもに響いていた」
「子どもが自由に、自分の感じた世界を表現できて、楽しそうでした」
「長嶋先生が子ども一人ひとりの良いところを見つけて声を掛けてくださり、とても温かい時間でした」
東都生協「食」の学校では、これからも"見て、感じて、学ぶ"体験を大切にした企画を通じて、「食」への関心や学びを広げていきます。

長嶋先生と、それぞれの作品を手に笑顔の参加者の皆さま
