みんなの活動:これまでの活動報告

被爆者・市民の平和への願いを世界に届けました 〜NPT再検討会議 日本生協代表団 ニューヨーク活動報告〜

機関誌 『東都生協だより』 2005年7月号より

2005.05.27

NPT(核兵器不拡散条約)は、1970年に発効した条約で、米・露・英・仏・中の5カ国以外への核兵器の拡散防止・核軍縮・原子力の平和的利用を義務付けています。

この条約は5年ごとに条約の履行状況を再検討する会議を設けることが決められており、今年2005年は5月2日〜27日まで、ニューヨークの国連本部で開催されました。

これに合わせて、4月29日~5月6日に日本の生協代表団がニューヨークを訪問し、被爆者や市民団体と共同して核廃絶の思いを国連・各国政府などに伝える取り組みをしました。

東都生協は、この日本生協代表団に池田京子理事を派遣し、「被爆60周年国際署名」をはじめ多くの組合員の平和への願いを直接伝え、訴えてきました。その様子をご報告します。この代表派遣は、組合員から集められた平和募金を活用しました。

〈国連本部での原爆展(2005年5月2日〜27日)〉

国連本部で原爆展を開催するまで3年を費やし、やっと実現しました。初日は、町村外務大臣、大島国連大使、秋葉広島市長、NPT再検討会議や平和市長会議関係者など、多くの人たちが来場しました。

大島国連大使からねぎらいの言葉が
大島国連大使から
ねぎらいの言葉が

通訳を介して被爆の実相を伝えました
通訳を介して
被爆の実相を伝えました

折り鶴に平和の願いを込めて
折り鶴に
平和の願いを込めて

〈国際署名の提出〉
東都生協で2月~4月に取り組んだ「被爆60周年国際署名」(23,545筆)を日本原水協代表に届けました。全国から集められた国際署名は5月4日に国連へ提出されました。

池田京子理事(左)
池田京子理事(左)

〈NPT再検討会議傍聴〉
NPT再検討会議が行われている総会議場で、秋葉広島市長、伊藤長崎市長、被爆者代表、各国NGO代表など、11人が核廃絶の願いを訴えました。

オノ・ヨーコさんはジョンレノンの「イマジン」を朗読
オノ・ヨーコさんは
ジョンレノンの
「イマジン」を朗読

〈英国代表部への要請〉
イギリスのパターソン次席軍縮大使へ被爆者・生協代表10人で核廃絶への協力を求める要請文と、生協組合員から寄せられたメッセージを手渡しました。

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〈コロンビア大学での証言活動〉
この他にも、公開シンポジウムや、ニューヨークの大学生や高校生との交流、各国のNGOや市民団体との交流など活発に活動しました。

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〈NGOデモンストレーションへの参加〉
国連本部前からセントラルパークまでの3.2kmをいろいろな国々の人たち4万人で、約2時間かけて核廃絶をアピールしながら歩きました。

「二度と同じ過ちを繰り返してはならない」と訴えます
「二度と同じ過ちを
繰り返してはならない」
と訴えます

全国大学・いわて生協・みやぎ生協の代表と一緒に出発!
全国大学・いわて生協
・みやぎ生協の代表と
一緒に出発!

秋葉広島市長も先頭をずっと歩きました"
秋葉広島市長も
先頭をずっと歩きました

いろいろな国のNGOや市民団体が思い思いのパフォーマンスで参加
いろいろな国のNGOや
市民団体が思い思いの
パフォーマンスで参加

戦後60年という年月が経ち、核被爆国ということが、平和な日本で暮らしている私たちの中で遠い過去のことのようにも思え、また世界には核兵器使用を容認する風潮もある中で、今回、被爆者の方々と一緒に被爆の実相を伝える活動をサポートできてよかったと思っています。

現地では「被爆者の皆さんがニューヨークまで来てくださったことに感謝する」「帰ったらみんなに伝えたい」など励ましや感謝の言葉をたくさんいただきました。平和という概念の捉え方はいろいろだということを感じました。だからこそ、対話や伝えていくことが大切だ、とつくづく思いました。

しかし、活動期間中も肝心のNPT再検討会議は進まず、結局は何の成果もないまま閉会してしまったことは本当に残念です。

(東都生協 理事 池田京子)