みんなの活動:これまでの活動報告

食と農

2009年度JAやさと農業体験・米コース、参加してよかった!

2009年度 JAやさと農業体験・米コース参加者の感想

2010.03.03




田植え

やさと体験田

親子で田植え体験

草取り

草取りの風景

草取り 組合員と生産者

草取りをする子ども

収穫体験

じゃがいもを収穫

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稲刈り

おだがけ

稲刈りの風景

脱穀

脱穀

収穫祭

収穫祭

収穫祭の参加者

毎年大好評のJAやさと農業体験・米コース。2009年度に参加した皆さまから「生産者の方と交流ができてよかった」「来年も参加したい」といった声をたくさんいただきました。昨年の作業の様子と、参加した皆さまからの感想をご案内します。

参加者の感想
  • 地元の農協の方々とNPO法人の方々のお力があってこそ! ということを実感しました。

  • 体験することで、より米や野菜に愛着が湧き、食べものを大事にいただこう! という思いが強くなりました。
  • 都内在住者にとって、農業はなかなかできない体験。参加も月1回程度だったので、共働き・子持ちの私たちも精神的な負担がなく、楽に通うことができました。また農業だけではなく、さまざまな収穫体験ができ楽しかった。

  • 毎日食べている米がどのようにできているか知ることができます。JAやさとは自然がいっぱいで、心が洗われ、とてもリラックスできます。

  • 東京育ちの私たちでしたが、自分たちの田舎に帰る気持ちで参加しました。旅行ではなく労働や仕事でもなく、田舎に帰る気持ちで毎回気軽に参加できました。初心者の方でもぜひ参加してもらいたいと思います。

  • JAやさとの交流訪問は東京からすごく便利です。こんなに近いところに素敵な故郷ができた感じです。

  • どんなに疲れていて「明日早起きで田んぼなんてムリ!」と思っていても、来るとすごいリフレッシュできる。田んぼの緑とても目に優しくて疲れも忘れ、エネルギーが充電される感じ。

  • 自然豊かで行ったら必ず好きになるし、癒やされます。

  • 自分たちの植えた苗が大きく育っていく様子を見られるのはとても楽しい。米を育てる他にもいろいろな企画を用意してくださり、やさとの自然、また、朝日里山学校の素敵な雰囲気も味わえてとても充実した企画だと思います。だまされたと思って一度来てみてください。絶対にJAやさとが大好きになりますよ!

  • 今後、農業が見直される時代が来ると思いますが、ぜひ一度ご自分で体験されることをお勧めします。JAやさとの自然と原風景(朝日里山学校含む)はとても心地よく、心が癒やされる素晴らしい体験ですよ。自分が作った米がこんなにもおいしいと感じることのできる体験をぜひ一度味わってみてください。


産直米を食べて田んぼを元気に-田んぼの生きもの宣言-

生協・産地・団体・米穀事業者・行政が協同して環境保全型農業を推進

2010.03.02

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その昔日本人は、たくさんの生きものを育む田んぼをまん中にくらしてきました。田んぼの周りには、里山や沼、川があり、それらが生き物たちの揺りかごとなって、命を育んでいたのです。

いつしか化学合成農薬と化学肥料に依存した農業へと変遷し、田んぼで当たり前に見かけたトンボやカエル、メダカたちが姿を消し、彼らが息づいていた風景が懐かしくさえ感じられるようになってしまいました。

今、農業が持つ多面的機能が見直され、生き物たちへ眼差しが向けられるようになってきています。たくさんの生き物が息づく田んぼを未来につなげたい、そんな願いを込めて、私たちは田んぼの生きもの宣言を行いました。



■たじり田んぼの生きもの宣言

私たちの未来に見えている風景は、四季折々に美しく姿を変える田んぼの中に、たくさんの鳥や虫、草花に囲まれて、食べる人を思いながら働く農家の姿です。そして、食卓で楽しく語らい、そこで育った生きものや米を作った人に思いを馳せることのできる消費者の姿です。私たちは、田んぼの生きものを一緒に調べ、話し合うことで、その未来が確実に訪れることを確認してきました。

私たちは未来の子どもたちにこのままの地球、このままの風景を残し、生物多様性を育み、持続可能な生産を支える水田農業を伝えていくために以下の宣言を行います。

◇安全・安心な田んぼを目指します
◇健全な土づくりを行います
◇環境に配慮した栽培技術の向上に努めます
◇地域の多様な生き物を育みます
◇複合生態系としての「里地・里山」の多様性を維持します
◇田んぼと周辺の環境配慮に努めます
◇地球温暖化防止に貢献します
◇地域の文化を守ります
◇人と人のつながりを大切にします
◇産直活動を広げます

※上記は「たじり田んぼの生きもの宣言」の抜粋です。詳しくはこちらをご覧ください。

親子で生きもの調査 たんぼの生きもの 05%20kansei.jpg
たんぽぽ 田んぼに咲く花 いなご


■たじり田んぼの生きもの宣言マーク

たじり田んぼの生きもの宣言マーク このマークは、生物多様性によって人と田んぼが支えられていることを表わしています。背景の色は、水の青、植物の緑、大地の茶です。私たちが目指すべき「なつかしい未来」を象徴しています。

■産地の取り組みを応援します



生きもの調査 かえる 田んぼの調査

2009年12月15日、JA新みやぎ・田尻支店(宮城県)で、「たじり田んぼの生きもの宣言」が発表されました。

田尻地域では30年ほど前から農薬の使用を抑えた環境保全型農業を進めてきました。10年ほど前からは田んぼの生き物調査を行い、生産者自身が田んぼの生き物たちに目を向けるようになり、5年前からは消費者も一緒に調査を行っています。

そして2009年4月、産地や生協のみならず、流通や精米を担う米の卸業者や行政も加わって、田んぼの生き物調査プロジェクトが発足し、4回にわたる定期的な田んぼの生き物調査と数回の話し合いを経て宣言に至りました。これは、日本で初めての、田んぼの生き物と共生した農業を進めるための宣言となります。


■田んぼの生きもの調査が形に



田んぼの風景 白鳥 マガンの飛び立ち

カエルやアメンボ、クモなどが害虫を捕食し、イトミミズや微生物が豊かな土を作る。そんな生門門ものたちの力をうまく利用することで、農薬や化学肥料の使用を抑えることができます。

田んぼの生きもの調査を行うことで、いろいろなことが分かってきました。冷害の年はトンボの羽化の時期が遅れること、使う農薬の種類によってトンボの数が異なること――まさしく生き物たちは、科学的なデータよりも多くのことを語ってくれます。

生き物を育む取り組みは少数の生産者や一部の田んぼだけで行うのではなく、田尻のように地域全体で取り組む必要があります。田尻の生産者の皆さんも、これまでの生きもの調査や、農法への応用など地道な活動が消費者に広まるということで、今回の宣言に大変期待しています。


■生産者からのメッセージ


佐々木陽悦氏 生産者・田尻地域田んぼの生きもの調査プロジェクト実行委員長

田んぼの生きものが食の安全と環境を語る

佐々木陽悦(生産者・田尻地域田んぼの生きもの調査プロジェクト実行委員長)

宮城県大崎市田尻地域の環境保全型農業は、30年ほど前の水稲の空中散布中止やダイオキシン系農薬排除の運動に始まります。10年ほど前、6月の水田をミジンコを大きくしたような生き物がたくさん泳いでいることに気付きます。「タマカイエビ」です。

ユスリカを食べにツバメが乱舞し、6月末にはメダカやフナの稚魚が泳ぎ、夜には稲穂を登ってトンボの羽化が始まります。

生き物はウソをつきません。生き物調査をすることで、化学合成農薬や化学肥料を削減した栽培方法が生き物の種類や数に反映するなど、生き物が食の安全や環境のモノサシとなることが分かってきました。

生協の組合員の皆さまと一緒に始めた調査活動の中から「田尻地域田んぼの生きもの調査プロジェクト」が結成され、生きものが豊かな田んぼで生産された米に、全国で初めて「生きもの宣言マーク」を表示することを決めました。

今年2010年は国連が定めた「国際生物多様性年」です。農業は人間の生存にとって必要な食料の生産を行うと同時に、地球上の多様な生きものの生息環境を保全します。このような環境保全型農業を一緒につくっていきましょう。


■「たじり田んぼの生きもの宣言マーク」が付く産直米



宮城ひとめぼれ(田尻)5Kg 無洗米宮城ひとめぼれ(田尻)5Kg 無洗米宮城まなむすめ5Kg

たくさんの生き物を育むように、地域全体で環境に配慮した農業に取り組んでいる宮城県田尻の産直米に「たじり田んぼの生きもの宣言マーク」を付けます。 ※商品名・価格などは2010年3月2回時点のものです。

高台から見た田尻地域(宮城県大崎市)

高台から見た田尻地域(宮城県大崎市)

2010.02.19

司会も生産者・組合員・職員で協力

司会も生産者・組合員・職員で協力

庭野理事長より開会あいさつ

庭野理事長より開会あいさつ

人気のコウケンテツさん

人気のコウケンテツさん

トークも盛り上がります

トークも盛り上がります

さすがプロの腕前、おいしそう!

さすがプロの腕前、おいしそう!

田んぼの生きもの宣言報告

田んぼの生きもの宣言報告

組合員のリレートーク。日本型食生活をPR

組合員のリレートーク。
日本型食生活をPR

生産者も消費者との交流が楽しみ!

生産者も消費者との交流が楽しみ!

2010年2月13日、東都生協は 第27回 生産者と組合員と職員との交流集会 を、めぐろパーシモンホール 大ホール(目黒区)で開催しました。年に1回、消費者と生産者が直接交流できる場として毎年好評をいただいているこのイベント。27回目となる今年は12日に都内5会場で行った「地域別交流会」と合わせて、全2日間の日程で開催しました。

冒頭に、東都生協の庭野理事長より開会あいさつ。

「2008年から進めている食の未来づくり運動では、持続可能な食を実現していくための行動提起を発信しています。この場は、生産と消費の現場を近づけ、国内農業が元気になることが食の未来につながることを広く伝えたい。『食の未来づくり 聞こう! 話そう! つなげよう!』というテーマで開催した。生産者と消費者がお互いの現状を打ち明け、どんな取り組みができるのか話し合い、一緒になって現在の食と農の在り方について考えていきたい」と述べました。

続いて、料理研究家のコウケンテツ氏から「キッチンから生まれる家族の絆」というテーマでトークショーを行いました。

家族がそろって食事をすると家族間の信頼と絆が深まることや、子どもや家族の健康のためにはバランスの取れた食生活が大切なことなどを、自身の体験を踏まえながえらユーモアを交えて話がありました。

トークの後は、東都生協の産直野菜を使った料理ショー。にんじん、ごぼう、菜の花、大豆もやし、それぞれのナムルを作りながら、料理の手順やコツを紹介。食材の産地紹介も交えながらのコウさんのお話と料理に、会場の人たちは、笑ったり、感心したり。この日のコウケンテツさんのオリジナルレシピは、参加者全員に配られました。

前日に都内5会場で開催した「地域別交流会」の報告の後、東都生協、JAみどりの田尻支店(宮城県)、大崎市田尻総合支所(同)などからなる「田んぼの生きもの調査プロジェクト」の「たじり田んぼの生きもの宣言」の発表と続き、組合員・生産者・職員の7人で「私が目指す食の未来づくり宣言」についてリレートーク。

生産者代表の一人、農業生産法人有限会社登米(とめ)ライスサービスの伊藤成一郎さんは、「今から何十年後かに日本の農業が活発で元気になり、食料自給率も向上すると良い。今、産地訪問に訪れている子どもたちがおとなになる頃、農業が憧れの職業になるように努力をしていく」と述べました。

組合員代表の奈須円香さんからは、「生産現場の実態を知り、生産者の声を聞くために、まずできることをやりたい。知る努力をして、機会があれば学習や産地交流訪問などの行事に積極的に参加して、生産者の生の声を聞きたい。昔のように、日本で採れた生産物だけを食べる生活ができるのが理想だが、せめて国産のものを選んで買いたい」と熱意を込めて話しました。

この後、参加者全員が参加してのじゃんけんゲームで会場は盛り上がり、大盛況の中閉会しました。

閉会後は会場のロビーで、生産者による試食・販売コーナー「いちば・未来」を開催。新鮮な野菜などを、安く生産者と交流をしながら買えるとあって、販売開始そうそう、売り切れてしまうブースもあるほどの大人気。

悪天候の中、2日間で1,300人以上もの参加者が集まり、本音で交流し合った2日間。生産者と消費者がお互いの立場を理解し合う、大変意義のある交流集会となりました。

牛さん、私の育てた飼料米食べてね! 

畜産の生産現場を学ぶ「飼料米ありがとう交流会」

2010.01.25

千葉北部酪農農業協同組合 加川職員

千葉北部酪農農業協同組合 加川職員

藤崎さんから感謝状をいただきました

藤崎さんから感謝状をいただきました

東都生協では、組合員が自宅でバケツなどを使って飼料米を栽培し、それを畜産農家の飼料として利用してもらう「牛さん・鶏さんにごはんをあげよう!」に取り組んでいます。

穀物飼料などの高騰などで経営が逼迫している酪農を応援する目的で、2008年度から始まったこの企画。大好評だった昨年度に続いて、本年度も多くの組合員が参加しました。

2010年1月16日、飼料米の栽培にチャレンジした組合員の中から26人が、みんなで栽培した飼料米のワラを牛さんに渡しに、千葉北部酪農農業協同組合・藤崎牧場を訪問しました。

現地に着くと、同農協の加川職員があいさつ。

経営状況が厳しい中、こうした東都生協組合員の応援が励みになることや、飼料米を家畜用飼料にすることは生産コストや数量確保など課題は多いものの、将来的に実現できれば国内の飼料自給率向上に一石を投じることができるとの、飼料米への今後の展望が話されました。

続いて生産者の藤崎文雄さんから、この取り組みに参加した東都生協組合員に対して、感謝状が贈られました。



飼料米を牛にあげます 飼料米を牛にあげます②
飼料米を牛にあげます③ 飼料米を牛にあげます④

参加者は、自分たちで栽培した飼料米のわらを牛さんに食べてもらうために牛舎に移動。

ところが普段から食べ慣れていないせいか、わらに興味を示すのですが、なかなかバクバクとは食べてくれません。そこで、普段から食べている餌をまぶすなどの工夫をして、根気よくわらを与え続けると、少しずつ食べ始めてくれました。


皆で作ったバターを焼いもにつけて食べました 乳搾りも慣れるとうまくできました

昼食後には、バター作りを体験しました。藤崎さん夫妻に用意していただいた芋を焼き、みんなで作ったバターを付けて食べました。
子どもたちは乳搾りにもチャレンジ。最初はおそるおそるでしたが、慣れてくると皆、次第にうまく搾れるように...。

交流会の最後に、参加者からは「自分たちが育てたわらを直接牛にあげることができてよかった」「今年はうまく育たなかったけど、他の方の育て方も参考に、来年は再度チャレンジしたい」「このような体験の機会を与えてくれた藤崎さんに感謝します」など、今回の感想を藤崎さんに伝え、後にしました。

自宅での飼料米の栽培体験も、極めて低い水準にある穀物自給率など、畜産を巡る生産現場の実態を知るきっかけとして、組合員にとって有意義な取り組みとなったようです。

たじり田んぼの生きもの宣言

「生きものを育む田んぼ」をいつまでも

2010.01.12
生きもの調査には子どもも参加

2009年12月15日、東都生協、JA新みやぎの田尻支店(宮城県)、大崎市田尻総合支所(同)などからなる「田んぼの生きもの調査プロジェクト」は、「たじり田んぼの生きもの宣言」を発表しました。

同日開催した式典には関係団体約50人が参加。6月から4回にわたって実施した田んぼの生きもの調査と何回もの協議を経て発表に至ったもので、田んぼの生きものと共生した農業を進める旨をうたった宣言としては日本初となります。

同宣言では、「安全・安心な田んぼ作り」を目指すだけではなく、土づくりや複合生態系としての「里地・里山」の多様性の維持や、地域の文化への貢献、産直活動の推進など、10項目の宣言が盛り込まれています。



「田んぼの生きもの調査プロジェクト」。メンバーは東都生協、JA新みやぎ・田尻産直米委員会ほか

「田んぼの生きもの調査プロジェクト」
メンバーは東都生協、JA新みやぎほか

田んぼで調査②
田んぼで調査③

■田んぼの生き物調査が形に

東都生協とJA新みやぎ(田尻産直米委員会)とは旧田尻町農協から10年以上の提携関係にあり、東都生協が供給するひとめぼれの約4割を同農協が生産しています。2005年より「生きもの観察」の活動を開始。2008年度からは本格的に組合員が関わって田んぼの生きもの調査を行っています。

今回の宣言は、この間生産者自身が取り組んできた生きもの調査や、農法への応用など地道な活動を消費者に広めるねらいもあり、生産者も大変期待しています。

■生産現場を想像できる消費者づくりへ■

東都生協ではJA新みやぎで生産された産直米の包材に、「田んぼの生きもの宣言」マークを付けたり、商品案内を通してこの取り組みを広く組合員に伝えていく予定です。田尻の産直米が単に"宮城のひとめぼれ"ということではなく、たくさんの生きものを育む田んぼで、生きものに温かいまなざしを向ける生産者が作った米であることを多くの人たちに知ってもらい、この産直米を食べることが、田んぼや周囲の環境、たくさんの生きものたちを守ることにつながることを実感してほしいと考えています。

東都生協が進める「食の未来づくり運動」の行動提起の1つ「ライフスタイル提案」では、「食べ物から生産現場を想像できる消費者づくり」に取り組んでおり、今回の宣言でもこのことを目指しています。生産者が生き物との共生を目指し努力していても、それを理解し、生産された農作物を買い支える消費者がいなくては、その取り組みは継続しないからです。

田んぼの生きもの宣言マーク

田んぼの生きもの宣言マーク  このマークは、生物多様性によって人と田んぼが支えられていることを表わしています。背景の色は、水の青、植物の緑、大地の茶を表しています。私たちが目指すべき「なつかしい未来」を象徴しています。<br />
このマークは、生物多様性によって人と田んぼが支えられていることを表わしています。背景の色は、水の青、植物の緑、大地の茶を表しています。私たちが目指すべき「なつかしい未来」を象徴しています。




たじり田んぼの生きもの宣言(全文)



私たちの未来に見えている風景は、四季折々に美しく姿を変える田んぼの中に、たくさんの鳥や虫、草花に囲まれて、食べる人を思いながら働く農家の姿です。そして、食卓で楽しく語らい、そこで育った生き物や米を作った人に思いを馳せることのできる消費者の姿です。私たちは、田んぼの生きものを一緒に調べ、話し合うことで、その未来が確実に訪れることを確認してきました。

私たちは未来の子どもたちにこのままの地球、このままの風景を残し、生物多様性を育み、持続可能な生産を支える水田農業を伝えていくために以下の宣言を行います。


◆安全・安心な田んぼを目指します
◆健全な土づくりを行います
◆環境に配慮した栽培技術の向上に努めます
◆地域の多様な生き物を育みます
◆複合生態系としての「里地・里山」の多様性を維持します
◆田んぼと周辺の環境配慮に努めます
◆地球温暖化防止に貢献します
◆地域の文化を守ります
◆人と人のつながりを大切にします
◆産直活動を広げます



日本は、古くから稲作を中心とした農業を営んできました。そして、稲作自体が日本の文化を熟成してきたともいえます。それは、自然の恵みへの感謝の心を表現した祭り、伝統的で持続的な「食」だけでなく、「衣」や「住」に自然の中にあるものを活用しながら生活をしてきたことに表れています。

また、この地域で生産された米は「本石米」として江戸に出荷され、現在でもその技術は長く受け継がれ、良質米産地として発展してきました。

高度経済成長期以降の農業は食糧増産を第一の目標に掲げ、効率化や省力化を図ってきました。そして、農薬の開発や化学肥料の普及などに支えられ、経済効率が優先される技術が進められてきました。しかし、その結果、環境汚染などの弊害が生じました。

田尻地域では、生産者の健康、安全でおいしい農産物と環境保全にこだわり、30年ほど前からダイオキシンを含む農薬や航空散布の廃止などの運動を進め、生協との信頼関係の中で産直事業を発展させてきました。そして、農業体験等の交流を通じて消費者と生産者が生活と文化について学び合い、食と農の在り方を共に考えてきました。

田んぼは食糧生産の場だけでなく、トンボやメダカ、カエルなどの多様な生き物の生息地です。特に田尻地域は天然記念物のマガンの飛来地になっており、第9回ラムサール条約会議(2005年)で「蕪栗沼(かぶくりぬま)・周辺水田」が登録されたことも地域の生きものと共生する農業への関心を高めることになりました。

生き物との関わりの中で営まれる産業が農業であることを考えるならば、豊かな生態系がなければ、持続的に生産を続けることは不可能であり、生き物調査をすることによって農薬や化学肥料を減らすことが可能になることを、これまでの田尻地域の実践が物語っています。

生物多様性や地球環境保全に寄与する環境保全型農業と産直活動を踏まえ、生産者、農協、生協、流通関係者、NPO、行政などで「田尻地域田んぼの生きもの調査プロジェクト」を結成し、活動を続けてきました。農薬の成分や化学肥料などで規制されている認証制度によって、安全・安心を証明することから、もう一度、生産者と消費者の目線で農業を見直すために「たじり田んぼの生きもの宣言」を発信することにしました。

「たじり田んぼの生きもの宣言」は、このような田んぼの生物多様性の持つ大きな意義と可能性を共通認識とするための宣言です。人間を含み、全てのものは常に変化し続けていることを認識し、「たじり田んぼの生きもの宣言」もまた、その変化に呼応し「生きている」宣言でありたいと願っています。

2009年12月15日
田尻地域田んぼの生きもの調査プロジェクト:
東都生活協同組合・みやぎ生活協同組合
JA新みやぎ・田尻産直委員会、JA新みやぎ・田尻稲作生産部会
田尻地域有機農業研究会・田尻地域集落営農組合
パールライス宮城・全農パールライス東日本・JA全農
NPO法人田んぼ・NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ
大崎市田尻総合支所

実りに感謝! 米づくり体験収穫祭!!

今年も産直産地・(農)房総食料センターにて通年での農業体験企画に取り組みました

2009.12.18

稲刈りは大変、でも楽しい

JAやさと農業体験
稲刈りは大変、でも楽しい

収穫した米の前で感想を発表

JAやさと農業体験
収穫した米の前で感想を発表

(農)船橋農産物供給センターまず道作りから始まりました

(農)船橋農産物供給センター
まず道作りから始まりました

(農)船橋農産物供給センター収穫祭でのリースづくり

(農)船橋農産物供給センター
収穫祭でのリースづくり

(農)房総食料センター頑張った雨の日の田植え

(農)房総食料センター
頑張った雨の日の田植え

(農)房総食料センターおいしいお寿司 できるかな?

(農)房総食料センター
おいしいお寿司できるかな?

東都生協では、多くの産地と協力をして「米作り体験」企画を実施しています。参加者は春の田植えから始まり、草取り、稲刈り、収穫など、貴重な体験をします。

そして参加者が楽しみにしていた収穫祭が、多くの産地で開催され、無事に収穫を終えた喜びを皆で分かち合いました。また、作った米は参加回数応じて配られ、参加者にはうれしいプレゼントとなりました。

2009年10月24日 「JAやさと農業体験 お米コース」

組合員から大好評の「JAやさと農業体験 お米コース」。JAやさとの協力を得て毎年行われ、今回で21回目となりました。毎年大人気の企画で、今年も定員を超すたくさんの申し込みがありました。今年は、より多くの人たちに参加していただこうと、初めて参加する「初参加組」と、すでに経験がある「経験者組」とに、作業日程と田んぼを分けて米の栽培を行いました。

初参加組は慣れない作業に戸惑いながらも、自然や土に触れて、食べ物の大切さを実感しました。苦労をしながら育てた米を収穫したときは、皆、大感激でした。

そして収穫祭では参加者全員が一堂に会し、自分たちが収穫した米の前で出来高の報告や感想などを出し合いました。初参加の人がベテラン参加者に作業のコツを聞いたり、生産者も交えてみんなでバーベキューをしたりと、組合員同士、組合員と生産者が交流する姿があちらこちらで見られました。

多くの参加者から「次回も参加したい」という声が寄せられたこの企画。実際に土に触れ、生産の苦労と喜びを知り、貴重な体験となったようです。

2009年11月13日 「田んぼ作りから始める米作り交流」

(農)船橋農産物供給センターと協力し、荒れてしまった休耕田を整備し、田んぼを作り、そこでの米作りを企画しました。

全国的に見ても、あまり例を見ないこの取り組み。(農)船橋農産物供給センター代表の飯島さんが「農作業は家族で協力して行う仕事。ここに集まった全員が大きな家族です」とあいさつし、最初の作業である田んぼまでの道作りが始まったのが12月。

その後3回にわたる田んぼの整備の後、田植えを開始しました。米作りをやめてから二十数年、管理されなくなって15~16年となったこの地で、参加者の努力が実り、再び米が収穫できました。

収穫祭では、鴨鍋や郷土料理を味わいながら、約1年に及ぶ作業を振り返る参加者の姿が多く見られました。「あんなに荒れていた土地から作物ができて、本当に驚いた」「食べ物の有り難みが実感できた」などの感想が寄せられました。

2009年11月15日「古代米栽培体験交流会」

昨年大好評だった、(農)房総食料センターとの共催で実施した珍しい古代米(赤米)の栽培体験企画。今年も多くの参加申し込みがありました。

最初の作業に当たる5月の田植えの日はあいにくの雨模様でしたが、参加者たちは雨具を着て田んぼに苗を植え、自然の厳しさを実感しました。7月の草取りの時はかかしづくりにも挑戦して子どもたちが大活躍、そして9月には稲刈りをすることができました。

収穫祭では楽しい企画がたくさん用意され、参加者たちは古代米栽培体験ならではの、黒米を使ったリースを作りました。また、郷土料理の「飾り寿司」作りには(農)房総食料センター婦人部の皆さんが指導をしてくださり、交流もできました。

今回の米作りを振り返って、参加者からは「生きている稲を初めて見た」「土の感触が忘れられない」などの声が寄せられました。子どもからも「お米を作ることができた楽しかった」「お米がおいしくできた。ありがとう」などの感想が寄せられました。
2009.11.20

「新潟コシヒカリ(弥彦)」の産地・JA越後中央・弥彦営農センターが位置する弥彦村を訪問

東都生協は2009年11月18日、新潟コシヒカリ(弥彦)の産地・JA越後中央・弥彦営農センター(新潟県西蒲原郡弥彦村)への交流訪問を実施しました。

2009年産の「登録米 新潟コシヒカリ(弥彦)」を利用している東都生協組合員にお知らせをしたところ、50人以上の申し込みがあり、抽選の結果42人の方が参加しました。

晩秋の弥彦村で同農協の産直米の倉庫見学や温泉、菊まつり、そして寺泊の魚の市場通りでの買い物などを楽しみ、弥彦村に親しみを感じることができた一日となりました。


■産直米の倉庫を見学

現地に到着した後、最初にJA越後中央・弥彦営農センターの産直米の倉庫を見学しました。

9月に収穫された産直米(もみ)は、まず生産者のところで乾燥され、もみすりをして玄米となります。玄米は同農協の倉庫に運ばれ、約1トン入りの大きな袋に詰められ、品質検査を受けた後、低温倉庫に積み上がります。

産直米の保管状況を初めて見る組合員も多く、整然と積み上げられている様子に圧倒され、品質がしっかり管理されていることに感心していました。



低温倉庫には、約1.1トンの玄米が入った袋(フレキシブルコンテナバッグ)が倉庫いっぱいに積み上がっていました。

低温倉庫には、約1.1トンの玄米が入った袋(フレキシブルコンテナバッグ)が倉庫いっぱいに積み上がっていました。

隣の低温倉庫には30kgの産直米が入った紙袋が保管されていました。それぞれに生産者名や栽培履歴などがきちんと表示されていました。隣の低温倉庫には30kgの産直米が入った紙袋が保管されていました。それぞれに生産者名や栽培履歴などがきちんと表示されていました。




■弥彦桜井郷温泉「弥彦さくらの湯」
弥彦桜井郷温泉「さくらの湯」では、昼食と源泉かけ流しの温泉を堪能しました。

弥彦桜井郷温泉「さくらの湯」では、昼食と源泉かけ流しの温泉を堪能しました。







■弥彦神社 菊まつり
11月1日から24日まで開催される「菊まつり」の後半に当たり、県内外の菊作りの愛好家が丹精込めた作品が並べられ、色とりどりの菊がいろんな仕立て方で、見る人を魅了していました。

11月1日から24日まで開催される菊まつりの後半に当たり、県内外の菊作りの愛好家が丹精込めた作品が並べられ、色とりどりの菊がいろんな仕立て方で、見る人を魅了していました。

毎年テーマを変えて作られる「大風景花壇」ですが、今年は萬代橋(ばんだいばし)。

新潟市街にある信濃川にかかる六連アーチの橋です。

毎年テーマを変えて作られる「大風景花壇」ですが、今年は萬代橋(ばんだいばし)。新潟市街にある信濃川にかかる六連アーチの橋です。






■寺泊 魚の市場通り(てらどまりさかなのいちばどうり)
寺泊 魚市場通りには、大型鮮魚店が軒を連ね、日本海の魚介類を中心とした海の幸が手ごろな値段で売られていました。中には「こんなに持って帰れるの?」というくらい買い物をした方もいらっしゃいました。

寺泊 魚市場通りには、大型鮮魚店が軒を連ね、日本海の魚介類を中心とした海の幸が手ごろな値段で売られていました。中には「こんなに持って帰れるの?」というくらい買い物をした方もいらっしゃいました。



■最後に
今回の参加者には、「新潟コシヒカリ(弥彦)」や「あきたこまち」、天日干し米などお気に入りの産直米があり、中には40年近く東都生協を利用されている方もいました。

そんな多くの組合員の方に多くの産地が支えられていることを実感した交流訪問となりました。

「三陸牡鹿表浜魚つきの森」で2回目の記念植樹

石巻市で産直産地・メーカー、地域の皆さまと共に川と海を守る活動を推進

2009.11.02

中村副理事長が、北倉悦郎石巻副市長にクヌギの苗木を贈呈

中村副理事長が、北倉悦郎石巻副市長に
クヌギの苗木を贈呈

地元の小学生も頑張って植樹作業

地元の小学生も頑張って植樹作業

左から石巻市立鮎川小学校の生徒と菅原校長、㈱マルダイ長沼 長沼社長、東都生協 中村副理事長、宮城県漁協表浜支所運営委員会 木村委員長、東都生協 風間常務理事

左から石巻市立鮎川小学校の生徒と
菅原校長
㈱マルダイ長沼 長沼社長
東都生協 中村副理事長
宮城県漁協・表浜支所運営委員会
木村委員長、東都生協 風間常務理事

2009年10月29日、東都生協は、㈱マルダイ長沼、宮城県漁協表浜支所とで発足させた「三陸牡鹿表浜魚つきの森・植樹協議会」での2回目の植樹を行いました。

植樹作業に際しては同協議会メンバーの他に、石巻市役所の関係者、石巻立鮎川小学校の生徒さんなど、約120人もの参加者が集まり、大がかりな作業となりました。

本協議会は、植樹活動を通じて水産資源を守り、漁場や資源管理型漁業によって生産される生産物の利用促進を目的に、同年4月22日に発足したものです。

東都生協が組合員と生産者が一体となって進める「食の未来づくり運動」。この運動では、食とくらしに水産業を近づけ、水産物の供給を通じて漁業の今を組合員に伝え、日本の食料自給率向上を目指すことを掲げています。本協議会の活動も食の未来づくり運動の一環です。

開会に当たって東都生協・中村副理事長は、食と農を事業と運動の基軸とする東都生協の取り組みや北海道の産直産地との「枝幸魚つきの森 植樹協議会」の活動などを紹介し、今後も「日本の水産業を応援していく」と述べました。

宮城県漁協表浜支所の木村運営委員長からは「カキ相場の下落など厳しい経営状況にある中、若い漁業従事者が安心して漁業を継げる環境づくりを目指したい」との生産現場の思いが語られました。

続いて植樹作業。土の掘り起こしは想像以上に大変で、参加者たちは慣れない作業に戸惑いながらも、懸命に土を掘り起こしました。地元から参加した石巻立鮎川小学校の生徒の皆さんも、めいめいシャベルやスコップなどを手にして、汗をかきながら作業を進めました。

掘り起こしが終わったら、苗木を1本ずつ丁寧に苗を植えていきます。この日はクヌギ、ヤマザクラ、ナラの苗木など180本の樹木を植樹しました。今回は石巻市役所の関係者も参加し、文字通り地域と協力しながらの、意義のある記念植樹となりました。

今後の取り組みは、消費者と生産者による料理教室などの開催と併せて、水産物の普及、「浜の商品作り」などを予定しています。

東都生協・風間常務からは「本協議会発足の経緯や、水産業が抱える問題などを消費者に広報し、商品の利用を通じて生産者を支えてきたい」と抱負を語りました。


2009.10.05

おいしそうなアップパイが丁寧に仕上げられていきます

おいしそうなアップパイが
丁寧に仕上げられていきます

東都生協は2009年9月30日、埼玉県北埼玉郡に位置する、むさしの製菓㈱の本社工場の視察訪問を実施しました。

むさしの製菓㈱の「アップルパイ」は、東都生協の菓子部門の人気商品です。パイ生地を型に入れスポンジクラム、りんごの甘煮、カスタードクリームと重ねて仕上げていく工程は全て手作業で、職人技で手早く作られていく様子を見ることができました。

りんごは長野県産を中心に、国内産のものを使っていることや、異物混入を防いだり、温度調整など、品質管理には細心の注意を払っていることなどが確認できました。

プロの職人が作ったアップルパイを、手軽においしく食べられるのはとてもありがたい、という参加者の感想がありました。



産地・メーカー視察だより①

産地・メーカー視察だより②

産地・メーカー視察だより③

産地・メーカー視察だより④

産地・メーカー視察だより⑤

地球に優しい畜産を進めています

国産自給飼料100%の北海道・北里八雲牛の故郷を訪問

2009.09.30

牧場の広さは約350ha(東京ドーム約75個分)。ここに約300頭の牛を放牧

牧場の広さは約350ha(東京ドーム約75
個分)。ここに約300頭の牛を放牧

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宿泊施設の目の前に牛の親子がいました。
「ママー、もう歩きたくない」
「付いてこないと置いていくよ」
なんて、言っているのかな?
この後、子牛はどうしたでしょう?
画像をクリックしてください

初日は全3日間のスケジュールや施設について説明

初日は全3日間のスケジュール
や施設について説明

ピザとパンづくりに挑戦。<br>これが今日の昼食です

ピザとパンづくりに挑戦。
これが今日の昼食です

満天の星空の下でキャンプファイヤー。炎に大人たちはしみじみと、子どもたちはハイテンション...

満天の星空の下でキャンプファイヤー。
炎に大人たちはしみじみと、
子どもたちはハイテンション...

畔柳(くろやなぎ)先生のお話はとても分かりやすく、皆が聞き入りました

畔柳(くろやなぎ)先生のお話は
とても分かりやすく、
皆が聞き入りました

東都生協の人気商品「北里八雲牛」は、北海道の北里大学八雲牧場で生まれ、100%同牧場の草で育てられています。「北里八雲牛」の餌となる草は、同牧場の「北里八雲牛」の排せつ物で作られた堆肥で育ちます。

東都生協の産直産地・北里大学 八雲牧場(北里大学獣医学部附属フィールドサイエンスセンター八雲牧場)では、こうした自然の循環を大切にした環境保全型畜産に取り組んでいます。

東都生協は八雲牧場のご協力により2009年9月19~21日、今年で3回目となる産直体験ツアーを実施。東都生協の人気商品、自給飼料(八雲牧場の草)100%の北里八雲牛の故郷を訪問し、「牛にも人にも地球にもやさしい畜産」を体感し、北里八雲牛とその産地への理解を深めるのが目的です。

北海道という遠隔地にもかかわらず、今年は組合員15人が参加しました。

まず、八雲牧場の取り組みについて、牛を目の前にしてお話を聞いたり、クイズラリー形式でコースに沿って歩きながら、学び・体験しました。

その後、ピザ・パンづくりや「北里八雲牛」のバーベキュー、キャンプファイヤーなどを通して、生産者と楽しく交流しました。

参加者は、自分の目で見て、聞いて、体感することで、八雲牧場の取り組みや「北里八雲牛」への理解をいっそう深めることができました。

2日間のツアーを終えた参加者からは、「有意義な時間を過ごすことができた」「子どもの肉嫌いが改善できた」「牛が牛らしく育つために手助けをしているだけ...その謙虚な気持ちこそが、牛たちにへの愛情なんだなぁ~」など、生産者の熱意に感動する感想が多くよせられtありました。
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